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一般常識

オマージュ、パロディ、リスペクト、インスパイア、トリビュート、パクリ(盗作)の違い

オマージュ、パロディ、リスペクト、インスパイア、トリビュート、パクリ(盗作)の違い

オマージュ、パロディ、リスペクト、インスパイア、トリビュート、パクリ(盗作)の違いとは

「オマージュ」や「パロディ」「リスペクト」といった言葉は、映画や音楽の世界でよく聞かれます。しかし、これらの意味については、「他の作品からの引用」というくらいしか分からないという人も多いでしょう。実際に、これらの言葉にはどういった違いがあるのでしょうか。

今回は、「オマージュ」「パロディ」「リスペクト」「インスパイア」「トリビュート」「パクリ(盗作)」の6つの言葉の違いについて解説していきます。

オマージュとは

オマージュは、「尊敬」や「敬意」という意味のフランス語「hommage」から来ている言葉です。単純に「敬意を表す」という意味で使われることもありますが、現在の日本では、「自作の創作作品に、他の過去作品への敬意をこめた表現を含めること」といった意味で使うことが多くなっています。「○○にオマージュを捧げる」といった使い方をされます。

オマージュの定義は明確ではありませんが、前述のように単なる模倣ではなく、他作品への敬意があることが前提となっています。また、そうした意図がくみ取れるような表現であることも求められます。この点は、後述する「パクリ」との大きな違いとなっています。

パロディとは

パロディとは、本来「もじり詩」や「替え歌」といった意味の英語「parody」から来た言葉です。現在日本で使われている意味では、「他作品への風刺・諧謔をこめた表現を、自作の一部や全部に含めること」といったものになります。

パロディ作品は、笑いを交えたものになることが一般的です。パロディによって元の作品を相対化し、権威をはく奪したり、別の意味を見出すことが目的となります。また、必ずしも皮肉や風刺を目指すばかりでなく、元の作品に悪意のない場合も多くなっています。アメリカではパロディ映画も盛んに作られていますが、この場合は風刺が目的というより、他の作品を笑いの素材にすることに重点が置かれています。

このように、パロディには敬意をこめたものもある一方で、元の作品に思い入れのない場合も少なくありません。この点は、オマージュとの明確な違いとなっています。

リスペクトとは

リスペクトとは、「尊敬」や「尊重」を意味する英語「respect」の日本語読みです。現在では日常会話で使用することも多く、そのまま「敬意を払う」「尊敬している」といった意味で使われています。例えば、「私は友人をリスペクトしています」といった具合です。

映画や音楽といった創作の世界で使う場合も、他作品やその作者への敬意を意味するようになっています。この点では、「オマージュ」と意味に違いはありません。ただ、リスペクトはその他の場面で使うことも多く、前述のように日常的に使う頻度が高くなっています。この点は、主に芸術方面で使われるオマージュとの違いに挙げられます。

インスパイアとは

インスパイアとは、「~を示唆する」「霊感を与える」という意味の英語「inspire」に由来する言葉です。日本で一般的に使われる意味では、「他人の作品や言動に良い刺激を受け、それを自作に反映させる」といったものになります。「~にインスパイアされた」といった具合に使われます。

インスパイアという言葉の特徴には、基本的に元の作品に敬意があること、元の表現の再現ではなく、あくまで独自の表現として成立していることなどがあります。オマージュやリスペクトと似ていますが、単なる敬意の表明というより、新たな表現や価値の創造といった部分に重点が置かれているという所に違いがあります。

トリビュートとは

トリビュートとは、「賛辞」「贈り物」といった意味の英語「tribute」の日本語読みです。

トリビュートは、言葉の印象ではオマージュやリスペクトと似ていますが、使われ方にはかなりの違いがあります。トリビュートという言葉が使われる代表的な例は、音楽における「トリビュートアルバム」でしょう。これは、あるアーティストや作品に敬意を持つ複数の人間が集まり、それらにちなむ楽曲群をカバーするというものです。このように、日本でトリビュートと言う場合は、元の作品に敬意をこめたカバー作品という意味で使われることがほとんどとなっています。

パクリ(盗作)とは

パクリという言葉は俗語の一種で、さまざまな意味がありますが、現在では「他の作品から表現を盗用すること」という意味で使われることが多くなっています。元の作品の表現やアイデアを、はっきり分かるレベルで自作に利用する行為を言います。動詞形で「パクる」と使うこともよくあります。

オマージュやリスペクトといったものの場合、前述のように、元の作品への愛情や敬意が前提となっています。しかし、パクリの場合はそれとは違い、敬意などは感じられないことが通常です。もしくは、敬意はあってもそれが伝わらないと、パクリと指摘されることが多くなっています。ただ、パクリかオマージュかの線引きは難しいことも多く、人によって意見が分かれることも少なくありません。

ちなみに、パクリ(盗作)と呼ばれるものが、すべて著作権侵害にあたるわけではありません。単にアイデアやコンセプトを真似ただけであれば、罪に問われないのが通常です。