一般常識
「補完」「補間」「補足」「補填」「補充」の意味と違い

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「補完」「補間」「補足」「補填」「補充」の意味と違いとは
「補完」「補間」「補足」「補填」「補充」の5つは、いずれも「補」の字を持つ熟語です。意味合いも大まかな点が共通していることで、使分けに迷う部分も多くなっていますが、実際にはそれぞれ細かな違いがあります。
今回は、これら5つの言葉の意味や違いについて解説しますので、個々を使い分ける際の参考にしてみてください。
「補完」とは
「補完」の意味は、「不十分な部分をおぎない、完全なものにすること」というものです。何かの要素が欠けている部分や、足りない部分をおぎなって、全体を完全なものにすることを指します。
読み方は「ほかん」で、「不備を補完する」「補完的な機能が備えられている」のように使われます。
「補完」の「補」という字は、「つくろう」「おぎなう」「たすける」などの意味を持ちます。一方「完」の字は、「欠けたところがない」「全て備わっている」などを表します。
「補間」との違いは、「対象が幅広い」という点にあります。後述するように、「補間」が使われる分野が限られるのとは違い、「補完」の場合は物や状態などさまざまな対象に使えるようになっています。
「補間」とは
「補間」とは、「数値表や観測で得られた値に基づき、その間にある表に載っていない、または観測していない数値に対する値を算出すること」という意味の言葉です。ある実験や観測で測定したいくつかの値をグラフに書き入れた際、そのグラフの状態から、書き入れられていない部分の値を推測するといったことを指します。
読み方は、「ほかん」です。英語の「interpolation」を訳した言葉で、「内挿(ないそう)」とも呼ばれます。「補間」の「間」は、「すきま」や「あいだ」などの意味を持ちます。
「補完」と読みは同じですが、使われ方は違います。前述のように「補完」がさまざまな場面で使えるのに対し、「補間」は数値に関する分野でのみ使われる言葉となっています。
「補足」とは
「補足」とは、「不十分なところを付け足しておぎなうこと」という意味の言葉です。十分なレベルに達していないある部分に、後から付け加えをすることを言います。
読み方は「ほそく」で、「今の話には補足が必要だ」「補足資料を配付する」などのように使われます。
「補足」の「足」という字は、「生き物のあし」という意味のほかに、「十分にそなわる」の意味を持ちます。
「補足」と「補完」は、「足りない部分をおぎなう」という意味では違いはありませんが、使われ方は異なります。「補完」が「物や状態」を対象とするのに対し、「補足」は「話や文書」を主な対象とする点で使い分けられるようになっています。
「補填」とは
「補填」とは、「不足をおぎない埋めること」という意味の言葉です。何らかの足りていない部分を、おぎなって埋め合わせることを言います。
読み方は「ほてん」で、「損害を補填する」「保険で修理費を補填する」「赤字の補填」のように使われます。
「補填」の「填」という字は、「穴や隙間にものを埋める、詰める、ふさぐ」といった意味を持ち、「補填」のほかには「充填」や「装填」などのように使われます。
「補填」もやはり、「足りない部分をうめる」という意味では、「補完」や「補足」などと同様です。しかし、こちらも使われ方には違いがあります。
「補填」の語は、主に金銭に関する話題で使われるという点が特徴となっています。なお、字を入れ違いにした「填補(てんぽ)」という言葉も同じ意味を持ちますが、こちらが使われる頻度はそれほど多くありません。
「補充」とは
「補充」とは、「足りないものをおぎなうこと」という意味の言葉です。不足している人や物をおぎなって満たすことを言います。
「欠員を補充する」「商品を補充する」「食料を補充しなくてはならない」のように使われます。
「補充」の「充」という字は、「いっぱいにする」「ある基準まで満たす」という意味を持ち、ほかには「充填」「充足」などのように使われます。
「補充」もまた、大まかな意味合いでは「補完」や「補足」などと違いはありませんが、こちらも使われる場面には特徴があります。「補充」が使われるのは人や物に対してで、決まった数やあるべき数が不足した際に、それを埋める上で使用されるようになっています。
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