社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「必須」「必至」「必要」の意味と違い

「必須」「必至」「必要」の意味と違い

「必須」「必至」「必要」の意味と違い

一部に同じ字を持つ熟語グループの例はたくさんありますが、そうしたものは個々の区別が難しいケースが少なくありません。「必須」「必至」「必要」の3語についても、同じことが言えるでしょう。いずれも「必」の字が入っていて、「かならず」の意味合いを持つ点で共通することから、使い分けに混乱する場合も多くなっています。

今回は、「必須」「必至」「必要」の意味と違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「必須」とは

必須

「必須(ひっす)」とは、「必ず用いるべきこと」を意味する言葉です。なくてはならないことや、そうしたさまについて言います。「ひっしゅ」や「ひっすう」と読まれる場合もあります。「ウェブ開発においてJavaScriptは必須の言語だ」「大掃除の必須アイテムと言えば、ゴム手袋だろう」などのように使われます。

「必須」の「必」は、「かならず」「きっと」を意味する漢字です。一方「須」の字は、「待ち受ける」を表しますが、この場合は「用いる」の意味になります。

「必須」と「必至」は印象的には近いものの、詳しい意味合いは明確に違います。「必至」が後述するように、「必ずそうなること」を意味するのに対し、「必須」は「必ず用いるべきこと」を意味しています。

「必至」とは

必至

「必至(ひっし)」とは、「必ずそのことがやってくること」を意味する言葉です。あることが避けられないことや、またはそうしたさまについて言います。「このままの成績が続けば、落第は必至だ」「党の分裂は必至の状況となっている」「失敗は必至だが、チャレンジは無意味ではない」のように使われます。

「必至」の「至」の字は、「矢が地面に突き刺さった」象形から成り、「いたる」「来る」「やって来る」を意味します。

「必至」と「必須」「必要」の意味には、明確な違いがあります。「必至」は前述のように、「ある事態や状況の到来が避け得ないこと」を指す言葉であり、「何かを必要とすること」とは関係がありません。ですので、「必至のアイテム」などの使い方は、誤りということになります。

「必要」とは

必要

「必要(ひつよう)」とは、「なくてはならないこと」を意味する言葉です。どうしてもしなければならないことや、そうしたさまについて言います。「建物を建てるには建築資材が必要だ」「必要は発明の母と言われる」「必要に迫られて、相手の条件をのむしかなかった」などのように使われます。

「必要」の「要」の字は、「人体の腰の部分」を表しており、そこから「かなめ」や「入用」の意味で用いられるようになりました。

「必要」と「必須」はかなり近い言葉で、同じ場面で使えるケースも多くなっています。ただ、両者のニュアンスは若干異なり、それに応じて使い分けることも可能です。「必須」は「絶対になくてはならず、例外はない」くらいのニュアンスですが、「必要」にはそこまでの意味合いの強さはありません。

ですので、求め方を強調したい場合は「必須」を、単に入用であることを示したい場合は「必要」を、という具合に使い分けると良いでしょう。

「必須」「必至」「必要」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします