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一般常識

「非」「不」「未」「無」の意味と違い

「非」「不」「未」「無」の意味と違い

「非」「不」「未」「無」の意味と違い

漢字の中には、ある言葉の前に付くことで、その語を打ち消す役割を果たすものがいくつかあります。代表的なのが、「非」「不」「未」「無」の4つですが、それぞれイメージが似ているせいで、文章を書く際これらの使い分けに迷った経験を持つ人も多いでしょう。たとえば「非合理」と「不合理」は、どのような点で区別すればよいのでしょうか。

今回は、「非」「不」「未」「無」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分け方が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「非」

非

「非(ひ)」には、名詞としての用法と、接頭語としての用法の2種類があります。
前者の場合は「正しくないこと」「あやまり、欠点」などの意味があり、「非を暴く」「自分の非を認める」のように使われます。
一方後者の場合は、名詞や形容動詞に付くことで、「それに当たらない」「それ以外である」といった意味を表す役割を持ちます。たとえば、「非民主的」「非常識」「非合法」「非常勤」といった具合です。

「不」とは使われ方が似ていますが、細かい意味合いには違いがあり、使い分けも可能となっています。「非」の場合は、「本来あるべき姿」というものが一方に存在し、それに対して「そうではない」や「よくない」という否定の意を表す際に使われるのが特徴です。

「不」

不

「不(ふ)」とは、「接頭語として名詞または形容動詞の語幹に付き、それを打ち消し否定する意を表す」という意味の言葉です。具体的には、「不必要」「不一致」「不確か」など、「~でない」「~しない」などの意を添える場合と、「不人情」「不景気」「不出来」などのように、「~がない」「~がわるい」「~がよくない」などの意を添える場合の2通りがあります。「不調法」や「不気味」などのように、「ぶ」と読む場合もありますが、こちらも意味合いは前述のものと変わりません。

「非」との違いは、「“あるべき姿”などは特に想定しない」という点にあります。下に付く語を単純に否定するのが、「不」の役割です。ですから、たとえば「合理」の語について使い分けるならば、「正しい理論に合わない」というニュアンスを表したい場合は「非合理」を、「単純に理屈に合わない」という意味合いを表したい場合は、「不合理」を使うといった区別ができます。

「未」

未

「未(み)」とは、「まだ~しない」という意味の言葉です。熟語の頭などに付いて、ある1つの事態がその時点までになお実現していない様子を示す働きを持ちます。たとえば「未婚」という熟語であれば、「まだ結婚していない」の意味になり、「未遂」であれば、「まだ成し遂げていない」の意味になるといった具合です。ほかにも、「未熟」や「未来」、「未明」、「前代未聞」のように使われます。

「未」と「非」は、「未公開」「非公開」のように使われる語が重なる場合もありますが、意味合いには明確な違いがあるため、やはり使い分けが可能です。「非」の場合は完全な打消しなので、「非公開」なら「一切見せない」の意味になります。一方「未」は、「現時点ではない」の意味なので、「未公開」だと「これまでは見られていないが、今後については分からない」といったニュアンスになります。

「無」

無

接頭語としての「無(む)」とは、「名詞に付いて、そのものが存在しないこと、その状態がないことの意を表す」役割の言葉になります。「無表情」「無関心」といった具合に使われ、「無表情」なら「表情のないこと」の意味に、「無感動」なら、「関心を持たないこと」の意味になります。このほかに、「無感動」「無意識」「無免許」「無届」などのように使われます。

「無」と「非」「不」との違いは、「あるものの存在自体を打ち消している」点にあります。たとえば、「非合法」や「不法」なら「法から外れる」の意味になりますが、「無法」なら「法自体がないか、もしくはそのような状態」の意味になるといった具合です。また「無」は、「今もないし、これからもない」のニュアンスを持つ点で、「未」とも使い分けられます。

「非」「不」「未」「無」の意味と違い

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