一般常識
「煩雑」「繁雑」「複雑」「乱雑」の意味と違い

スポンサーリンク
煩雑・繁雑・複雑・乱雑の意味と違い
「なにかがこみいっていること」を表す熟語には、いくつかの種類があります。「煩雑」や「繁雑」、「複雑」といったものがそれですが、これらは普段何となく使っているものの、詳しい意味についてはよく知らないという人も多いでしょう。
しかし、正しく使い分けるためには、それぞれの意味合いについてきちんと知っておく必要があります。
そこで今回は、「煩雑」「繁雑」「複雑」「乱雑」の意味と違いについて解説していきたいと思います。
煩雑とは
「煩雑」とは、「こみいっていてわずらわしいこと」という意味の言葉です。何らかのものごとが複雑ですっきりしないことや、そうしたさまを表しています。読み方は「はんざつ」で、「煩雑な事務手続き」「煩雑を極める」などのように使われます。
「煩雑」の「煩」は、「いらいらする」「思いなやむ」などを指し、「雑」は「入り組む」「入り乱れる」などを指しています。
「煩雑」と「繁雑」は意味合いがよく似ていますが、明らかな違いもあります。「煩雑」のポイントは、「事態が複雑で込み入っている」ということです。あることがらがややこしく、簡単には処理できないことを示しており、この点は後述するように、「繁雑」との大きな違いになります。また、「わずらわしい」という感情が含まれることも、「繁雑」と区別される点です。
繁雑とは
「繁雑」とは、「ものごとがごたごたしていること」という意味の言葉です。やるべきことが多すぎてこみいっていることや、そうしたさまを表しています。読み方は、「はんざつ」になります。「繁雑な業務」「繁雑さに耐えられない」のように使われます。「繁雑」の「繁」は、「増える」「忙しい」などの意味を持ちます。
「繁雑」と「煩雑」は、「こみいっている」という点では同じですが、詳しい内容には違いがあります。「煩雑」が前述のように、「ものごとが複雑であること」を示すのに対し、「繁雑」は「やるべきことが多いこと」を示しています。つまり、内容が複雑なものに対しては「煩雑」を使い、量が多いものに対しては「繁雑」を使うという分け方ができます。
また、これも前述のように、「繁雑」という言葉自体には、「わずらわしい」という感情は含まれません。
複雑とは
「複雑」とは、「こみいっていること」「からみあっていること」という意味の言葉です。物事の関係が入り組んでいて、簡単には解きほぐせないことや、そうした状態を指します。読み方は「ふくざつ」で、「複雑な感情をいだく」「複雑怪奇な状況だ」のように使われます。
「複雑」の「複」は、「かさなる」や「入り組む」を表しています。
「複雑」は、「煩雑」の意味に含まれる言葉です。そうした点では両者は同じと言えますが、「複雑」には「わずらわしい」という主観が含まれていません。そのため、「煩雑」よりも広い範囲で使えるのが、両者の大きな違いとなります。
乱雑とは
「乱雑」とは、「みだれていること」という意味の言葉です。ものごとが無秩序に絡み合い、入り混じっていることや、そうした状態を指します。読み方は「らんざつ」で、「ものが乱雑に散らばっている」「引き出しの中が乱雑だ」のように使われます。
「乱雑」の「乱」は、「入り混じる」「ばらばらになる」を意味しています。
「乱雑」と「複雑」は、「ものごとが入り混じっている」という点では同じですが、使われ方はかなり違います。「複雑」は「簡単にはときほぐせないもの」に対して使われるのに対し、「乱雑」は「みだれて見苦しいもの」に対して使われるようになっています。
具体的には、ちらかった部屋や書きなぐった文章、秩序のない町並みなどを「乱雑」と表現するようになっています。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
- 最新の情報をお届けします
- Tweet Follow @b_textbook
その他おすすめのコンテンツ一覧
-
「つまずく」と「つまづく」の意味と違い
-
「毎週」「隔週」「各週」の意味と違い
-
「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の意味と違い
-
一次元・二次元・三次元・四次元・五次元の違い
-
「ください」と「下さい」の正しい使い分け方と違い
-
高級寿司屋のマナーと正しい食べ方34選
-
アラサー・アラフォー・アラフィーは何歳から何歳まで?
-
「動線」と「導線」の違い
-
元・基・下の使い方の違い
-
「慣れる」と「馴れる」の意味と違い
-
全20種類!○○世代一覧
-
以上・以下・未満・超え・以内・以前・以降・以来・以外は基準を含むかの違い
-
「凡例(はんれい)」と「凡例(ぼんれい)」の違いと読み方
-
「年度」「年次」「年時」の違い
-
「信用」と「信頼」の違い
-
特急、快速、急行、準急、普通の違い
-
「就任」「着任」「新任」の意味と違い
-
「写す(写る)」「映す(映る)」の意味と違い
-
「稼働」「稼動」「可動」の意味と違い
-
「早急(そうきゅう)」と「早急(さっきゅう)」の意味の違いと読み方
-
「蘇る」と「甦る」の意味と違い
-
「夫」「主人」「旦那」「亭主」の意味と違い
-
「いたします」と「致します」の正しい使い分け方と違い
-
「代替案(だいたいあん)と(だいがえあん)」の違いと読み方