一般常識
「範疇」「範囲」の意味と違い
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「範疇」「範囲」の意味と違い
「範疇」という言葉は、それほど頻繁ではないものの、日常生活でたびたび耳にする機会のあるものです。「仕事の範疇」「常識の範疇」といった具合ですが、これとよく似た言葉で、「範囲」というものもよく使われるようになっています。この2つは意味合いも使われ方も似ているように感じられますが、一体どういった点で区別されるのでしょうか。
今回は、「範疇」と「範囲」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「範疇」とは
「範疇(はんちゅう)」とは、「共通性を持ったものが属する部類」という意味の言葉です。「この映画は大きく分ければ、コメディーの範疇に属する」「彼のギターの腕前は相当のものだが、結局は趣味の範疇を出ていない」のように使われます。
「範疇」の「範」の字は、「型」や「きまり」、「きまったくぎり」などを意味します。一方「疇」の字は、「耕地のうね」「田畑」などを表しますが、この場合は「たぐい」の意味になります。
「範疇」と「範囲」の違いは、「中のものの性質を問題とするかどうか」という点にあります。「範疇」の場合、「共通の性質を持つものの集まり」を指す点が特徴ですが、「範囲」は後述するように、中身がどういったものかは特に問わないようになっています。
「範囲」とは
「範囲(はんい)」とは、「特定のきまった広がり」という意味の言葉です。限られた領域や、境、区域などを指します。「台風の被害は、かなり広い範囲にわたっている」「今回のプロジェクトは、わたしもできる範囲で協力するつもりだ」のように使われます。
「範囲」の「囲」という字は、「かこむ」「かこみ」「まわり」などの意味を表します。
「範囲」と「範疇」は、細かい部分で明確に区別されます。「範疇」が前述のように、「共通性を持つもののグループ」を指すのとは違い、「範囲」は単に、「ある決まった枠内」を指すようになっています。たとえば「半径2メートル範囲」という言い方はされても、「半径2メートル範疇」という言い方はされないという具合です。
ですので、「同様の部類」という意味合いを表すのなら「範疇」を、「特定の枠内」という意味合いを表したいなら「範囲」を、という風に使い分けることが可能です。
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