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「繁忙期」「閑散期」とは?業界別の「繁忙期」「閑散期」10選

「繁忙期」「閑散期」とは?業界別の「繁忙期」「閑散期」10選

世の中にはさまざまな種類の仕事がありますが、そのほとんどに存在するのが、「繁忙期」と「閑散期」と呼ばれるシーズンです。個別のケースで微妙に異なる場合もありますが、それぞれの業界には、大体共通した「繁忙期」と「閑散期」があります。そうした業界ごとの「繁忙期」「閑散期」を知っておくことは、サービスを利用する際はもちろん、転職などの際にも役立ちます。

本記事では、「繁忙期」「閑散期」の意味と、それぞれの業界別の時期について詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。

「繁忙期」と「閑散期」の意味と違い

「繁忙期」とは

繁忙期

「繁忙期(はんぼうき)」とは、「一年のうちで特に業務が忙しくなる時期」という意味の言葉です。「繁忙」の語は、「仕事が多くて忙しいこと(またはそのさま)」を意味しています。たとえば飲食業であれば、休暇やイベントが集中する年末年始などが、典型的な「繁忙期」にあたります。

「繁忙期」は大抵の業界に存在しますが、どんな業界であれ、企業にとっては業績アップのための重要な好機と捉えられます。顧客が集まってくるため、商品やサービスの価格が上がりやすいという特徴もあります。

一方、この反対にあたる言葉が、後述する「閑散期」です。「繁忙期」と「閑散期」はいろいろな点で違いますが、詳しいことについては、以下で説明しましょう。

「閑散期」とは

閑散期

「閑散期(かんさんき)」とは、「来客や注文が少なく、比較的業務が暇になる時期」という意味の言葉です。「閑散」は、「仕事がなくて暇なこと(またはそのさま)」を意味します。たとえばアパレル業界であれば、一般に2月と8月ごろが「閑散期」にあたるとされています。

「閑散期」は、上記のように、「繁忙期」の反対語になります。当然売上も「繁忙期」とは違い、伸びにくくなりますから、各企業はこの時期、いかに工夫して売上の落ちこみを抑えるかが大きな課題となります。その一環として、商品・サービスの値段を安く設定し、客を呼び込もうとするケースも多くなっています。また、メインの業務が暇になるのを利用して、裏方の業務を増やすケースもよくあります。

このほか、従業員の休みが取りやすくなるという点も、「繁忙期」との違いになります。

業界別の「繁忙期」「閑散期」一覧

引っ越し業界

引っ越し業界の繁忙期は、3月~4月になります。理由は、この時期(年度末)に進学や就職などで、人の移動が集中するためです。特に3月は、「超繁忙期」となっています。また、これほどではないものの、企業の中間決算期にあたる9月も、人事異動で引っ越しが増えるシーズンとなっています。

反対に引っ越し業界の閑散期は、1月4日~2月の第3週と6月、そして11月~12月上旬です。特に梅雨の最中である6月は、一般に雨を嫌がって引っ越しを避ける傾向が強くなっています。

運送業界

続いては運送業界の繁忙期ですが、こちらは年末年始の11月上旬~1月上旬、引っ越しシーズンである3月中旬~4月中旬、そして夏場の6月中旬~8月下旬ごろとなっています。年末年始は、お歳暮やクリスマスプレゼントなどの配達が重なって超多忙となりますし、引っ越しシーズンも、運送業者に依頼が来るケースが多くあります。一方夏場は、お中元や帰省時の荷物などを送るために需要が伸びます。
反対に閑散期は、お正月も過ぎてこれといったイベントのなくなる、1月中旬~2月ごろとなっています。

不動産業界

不動産業界の場合、12月~3月にかけてが繁忙期となっています。この時期は、入学や就職、転勤などのために引っ越しが決まる人が増えますが、3月~4月の引っ越し本番に合わせて、12月ごろから訪問するお客さんが増え始めます。1月~2月になると、どの不動産会社もかなり多忙な状態となります。

反対に、不動産業界の閑散期は、基本的に繁忙期以外の全ての時期となっています。4月~12月にかけては、一般にどの不動産会社も暇になるため、繁忙期に向けた準備期間にあてられるのが通常です。

旅行業界

旅行代理店や宿泊施設など旅行業界の繁忙期は、3月と7月~8月、そして12月となっています。春休みや夏休み、年末年始などの長期休暇の時期には、旅行に出かける人が集中するためです。また、ゴールデンウィークなどの大型連休のタイミングも、一般に旅行業界は多忙となります。

これとは逆に、年末年始を除いた12月~2月、ゴールデンウィークを除いた4月~5月、そして6月ごろの時期は、旅行業界は通常閑散期にあたります。つまり、繁忙期以外は基本的に閑散期と考えてOKです。

アパレル業界

続いて紹介するのはアパレル業界ですが、こちらの場合、3月~5月、9月~11月と、そしてバレンタイン、母の日といったイベントや祝日の時期が、繁忙期となっています。また、セールが行われる6月末~7月、12月末~1月も、同様に忙しくなります。特にクリスマスやセール、福袋などが重なる年末年始は、一年のうちでもかなり多忙な時期にあたります。

一方閑散期は、年末年始を除いた12月~2月と、6月~8月となっています。特に2月と8月は、その前後の出費のせいで買い控えをする人が増えるため、業界では一般に売上が落ちやすいと言われています。

ブライダル業界

ブライダル業界の繁忙期は、5月~6月、そして10月~11月となっています。季節で言えば春と秋ですが、この時期に結婚式を行うカップルが増えるのは、主に気候が穏やかであるという理由によります。特に暑さがピークを越し、かつ仕事にも支障が出にくい9月末ごろから11月末にかけては、結婚式はピークを迎えて忙しくなります。

一方、ブライダル業界の閑散期は、7月~8月と1月~2月となっています。この時期は気候が厳しいうえ、仕事も立て込むために、結婚式を挙げるケースは多くありません。

交通業界

交通業界の繁忙期は、JRの場合、3月21日~4月5日、4月28日~5月6日、7月21日~8月31日、12月25日~1月10日となっています。これらは、それぞれ春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始にあたり、転居や行楽などで人の移動が一斉に重なることから、業務は多忙となります。

一方閑散期は、やはりJRの場合、1月16日~2月、6月、9月、11月~12月20日のうち、祝日とその前日、振替休日を除いた月~木曜日となっています。

葬儀業界

続いては葬儀業界ですが、こちらは12月~2月が繁忙期となっています。日本人の死亡数を月別に見てみると、12月と1月がとびぬけて多いという特徴があります。これは、冬場は屋内と屋外の温度差が激しくなることから、体に大きな負担がかかるためと見られます。

この反対に、葬儀業界での閑散期は、6月~9月となっています。この時期は繁忙期と異なり、全般的に暖かい気候のため、冬場に比べて死亡率が低くなることが影響しています。

飲食業界

飲食業の場合は、お店のジャンルや業態によって忙しい時期は微妙に異なりますが、一般的には、12月と3月~4月が繁忙期であると言われています。特に12月は、クリスマスや忘年会での需要が高まるため、一年のうちでもとりわけ忙しくなります。3月と4月が忙しいのは、送別会や歓迎会があちこちで行われるためです。

閑散期も、お店によって異なるケースはありますが、大体1月、2月、8月ごろとされるのが一般的です。特に2月は、年末年始にたくさん飲食した反動で、外食を控える傾向が強くなっています。

小売業界・製造業界

最後に紹介するのは小売業界・製造業界ですが、こちらの繁忙期は、小売業が12月~1月、製造業が9月~12月ごろとなっています。小売業では、クリスマスや年末商戦の控える12月が、一年のうちで最も重要な書き入れ時となります。製造業もそれに合わせて、11月に忙しさのピークがやってきます。

一方閑散期は、小売業が2月や8月、製造業が1月~5月となっています。2月と8月は「ニッパチ」と呼ばれ、一般に消費が伸びにくい時期とされています。製造業の場合、1月を過ぎるとほとんどは閑散期に入ります。

「繁忙期」「閑散期」とは?業界別の「繁忙期」「閑散期」10選

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