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「グレーカラー」の意味とは?使い方や例文
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「グレーカラー」の意味とは?使い方や例文
ビジネス用語としての「グレーカラー」は、「ホワイトカラー」や「ブルーカラー」などと同じく、職業区分の1つです。しかし、実際にどんなことを表すのかは、あまり知らないという人も多いでしょう。
そこで今回は、そうした人のために、「グレーカラー」の意味や使い方について詳しく解説していきたいと思います。
「グレーカラー」の意味
「グレーカラー」とは
「グレーカラー」とは、職業区分の一種で、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の中間に属するか、あるいはどちらにもあてはまらないような職種を意味します。一般的には専門職や技術職などが当てはまりますが、実際の定義についてはあいまいで、「ホワイトカラー」「ブルーカラー」のように明確に区分されているわけではありません。
「グレーカラー」の由来
「グレーカラー」という言葉は、英語の「gray-collar(gray collar workerとも)」に由来する外来語です。「gray」は「灰色の」を意味しており、「collar」は「服の襟」を意味します。「カラー」は色を意味する「color」のことだと思っている人もいますが、これは間違いです。
「ホワイトカラー(white-collar)」「ブルーカラー(blue-collar)」という言葉は、もともとそれらの層が労働時に身につけていた服装の特徴(「ホワイトカラー」はワイシャツの白い襟を指し、「ブルーカラー」は作業着の青い襟を指す)から来ています。一方「グレーカラー」の「グレー」は、襟の色ではなく、「ホワイト」と「ブルー」の中間(あるいはそれに属さない)ということを意味します。
「グレーカラー」の成り立ち
先進工業国においては、19世紀から20世紀初頭にかけて、「ブルーカラー」層(工場労働者など)と区別される形で「ホワイトカラー」層(知的労働者など)が現れました。しかし、1950年代に入ると、技術革新により従来の労働過程の在り方が大きく変化していきます。その結果、「ブルーカラー」「ホワイトカラー」双方の性格の差を埋めあうような形の職種が、次々に誕生していきました。こうした職種は、従来の単純な「ホワイト/ブルー」の区分で捉えることができないため、新たな呼称が必要とされます。こうして誕生したのが、「グレーカラー」の呼び名というわけです。
「グレーカラー」の使い方・例文
「グレーカラー」の意味は上記の通りですが、実際にはどのように使われるのでしょうか。この項目では、ビジネス用語としての「グレーカラー」の使い方について、例文を挙げて見ていきましょう。
例文:「現在の日本では、大半の人がグレーカラーにあたると言える」
例文:「ITエンジニアは、頭脳労働と肉体労働の両方の性質を持つから、グレーカラーに分類される」
例文:「彼は技術者だが、現場での作業はしないから、グレーカラーとは言えない」
「グレーカラー」の具体例
ここまで「グレーカラー」の意味や使い方について見てきましたが、具体的にどんな職種が当てはまるのでしょうか。ここでは、「グレーカラー」の具体例について見ていきましょう。
「ホワイトカラー」「ブルーカラー」両方の性質を持つもの
上でも述べたように、「グレーカラー」の多くは「ホワイトカラー(知的労働者)」と「ブルーカラー(肉体労働者)」の中間的な性質を持つようになっています。そうしたものの例を、以下に挙げて見ましょう。
①営業職
営業職は、商品やサービスを顧客に売り込む仕事です。既存や新規の顧客にアプローチする中では、デスクワークとともにルート営業など外回りが重要な仕事になります。つまり、ワイシャツを着てオフィスで働くだけでなく、体を使わなくてはならないという点で、「グレーカラー」に分類されます。
②専門教育を受けた技術者
専門教育を受けたハイレベルな技術者は、知的労働者である点で「ホワイトカラー」にあたりますが、その一方で生産現場で働くという性質は、「ブルーカラー」にあたると言えます。このように両方の性質を持っていることから、やはり「グレーカラー」に分類されます。
③工場の生産管理者
工場の生産管理者は、「管理業務を中心とする」という仕事内容から言えば「ホワイトカラー」ですが、生産現場での業務であるという点は、「ブルーカラー」にあたります。こうしたことから、やはり「グレーカラー」の代表例に挙げることができます。
「ホワイトカラー」「ブルーカラー」どちらにも当てはまらないもの
「グレーカラー」には、これも上で述べたように、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」のどちらにも分類できないものが含まれます。これも以下に挙げて見ましょう。
①サービス業全般
「ホワイトカラー」「ブルーカラー」という分類は、主に製造業を中心とした区分です。そのため、接客業や運送業などのサービス業はそのどちらにも当てはめにくく、多くが「グレーカラー」に分類されます。
②保安職業従事者
「保安職業従事者」とは、警察官などを指した言葉です。サービス業もそうですが、こうした「第三次産業」と呼ばれる職業は、全般的に「グレーカラー」に分類することができます。
最後に
以上のように、「グレーカラー」は「ホワイトカラーとブルーカラーの中間的な性質、またはそのどちらにも当てはまらない性質を持つ職種」を意味しています。ビジネス用語として使われることも多いので、例文で示したような用法をしっかり踏まえて、正しく使えるようになっておきましょう。
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