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一般常識

「概略」「概要」「概容」「概況」「要覧」の意味と違い

「概略」「概要」「概容」「概況」「要覧」の意味と違い

概略・概要・概容・概況・要覧の意味と違い

「大体のまとめ」という意味合いを難しく言う場合、「額略」や「概要」といった言葉が当てはまります。そのほかにも「概容」や「概況」などいろいろな種類があり、使い分けに迷うところです。一体これらには、どういった意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「概略」「概要」「概容」「概況」「要覧」の意味と違いについて、詳しく解説していきます。

概略とは

「概略」とは、「おおよその内容」「あらまし」といった意味の言葉です。読み方は、「がいりゃく」になります。「ことの概略を説明する」「概略は次の通りだ」のように使われます。
「概略」の「概」は、「おおむね」といった意味を持ち、「略」は「はぶく」という意味を持ちます。

「概略」と「概要」は、使われ方はほぼ同じですが、文字の上の意味合いは明確に違います。「概略」のポイントは「おおよその中身」という点で、長い内容をまとめるために、不要な部分を省いて全体のあらましを抜き出したものを指しています。「略」はもともと「他人の土地を侵す」という意味でしたが、そこから転じて、前述のような「はぶく」という意味を持つようになりました。

一方、「概要」の意味合いについては以下で見ていきましょう。

概要とは

「概要」とは、「全体の要点をとりまとめたもの」といった意味合いの言葉です。読み方は、「がいよう」になります。「概要だけ説明しよう」「こちらが概要をまとめたものだ」のように使われます。
「概」は前述のように「おおむね」を指し、「要」は「かなめ」を指しています。

「概要」と「概略」が、一見似ていても意味に微妙な違いがあるというのは、前述の通りです。「概略」が「全体のあらまし」を指すのに対し、「概要」は、「大事な点のみを抽出したもの」を指しています。
「要」はもともと「腰」を表す漢字で、「人体の大事な部分」ということから「かなめ」の意味を持つようになりました。

「概要」と「概略」は、結果的には同じような意味を持ちますが、このように「大事な点を取り出してまとめる」か、または「不要点を除いてあらましを抜き出す」か、というプロセスに違いがあります。

概容とは

「概容」とは、「大まかな内容」といった意味の言葉です。読み方は「がいよう」になります。「話の概容を掴む」「概容については今聞いたところだ」のように使われます。
「概」は「おおむね」を指し、「容」はこの場合「中身」などを指します。

このように、「概容」と「概略」は、ほぼ同じ意味の言葉です。また、もともと「概要」の方が一般的に使われており、後から当て字として「概容」の表記が使われ出したとされていることから、「概容」と「概要」も意味に違いはないと言えます。ただ、前述のように「概要」の方が一般的な表記のため、「概要」か「概容」かで迷ったら、「概要」を使うのが無難でしょう。

概況とは

「概況」とは、「大体の状況」という意味の言葉です。読み方は、「がいきょう」になります。「概況について随時報告するように」「こちらが九州の天気概況です」のように使われます。

「概況」と「概略」「概要」との使い分けでは、「況」の字の意味合いがポイントとなります。「概況」の「況」は「ありさま」を表す象形から成っており、「状況」の意味を持ちます。つまり「概況」には、「事態の流れについてのあらまし」という意味合いがあるわけです。これに対し「概略」や「概要」は、「ものごとのおおまかな内容」という意味合いで、「流れのあらまし」という意味はありません。この点は、両者の大きな違いとなります。

要覧とは

「要覧」とは、「要点を分かりやすくした文書」という意味の言葉です。統計図表などを用いて、見やすくまとめた文書を指します。読み方は「ようらん」です。「学校要覧」「建築関係法規要覧」のように使われます。
「要」は前述のように「かなめ」を表し、「覧」は「ながめる」「よく見る」を表しています。

「要覧」とはこのように、「要点をまとめた文書」を指します。一方「概略」や「概要」は、「ものごとの要点」は指すものの、必ずしも文書にまとめてあるとは限りません。「概要」について、口頭で説明される場合もあります。こうした点は、「要覧」と「概略」「概要」などとの違いとなっています。

「概略」「概要」「概容」「概況」「要覧」の意味と違い

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