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「エンパワーメント」の意味とは?使い方や例文

「エンパワーメント」の意味とは?使い方や例文

「エンパワーメント」の意味とは?使い方や例文

言葉は常に変化していますが、ここ数年の間にも、次々と新しい用語が誕生し使われるようになっています。「エンパワーメント」という言葉も、そうしたものの1つでしょう。ジェンダー問題など社会的なニュースで聞く機会が増えましたが、ビジネスシーンでの使用も多くなっています。では、「エンパワーメント」とは、一体何を意味する言葉なのでしょうか。

今回は、「エンパワーメント」の意味や具体的な使い方について、例文を交えて紹介していきたいと思います。

「エンパワーメント」の意味とは

「エンパワーメント」は、英語の「empowerment」という単語をカタカナに置き換えたものです。「エンパワメント」と表記される場合もあります。英語における「empowerment」の意味は、「権限を持たせること」「自信を与えること」「力を付けてやること」といったもので、「人間に生来備わる能力を表に出す」といったニュアンスを持っています。日本語として使われる場合も、基本的にこのような意味合いになります。また、広い意味では「夢や希望を与え、人々を鼓舞する」といった使い方もされます。

エンパワーメントの起源

「エンパワーメント」という言葉が広まる契機となったのは、20世紀後半の、アメリカや世界における社会運動の盛り上がりです。この当時は、自由公民権運動や先住民運動、フェミニズム運動など、旧来の社会を変革しようという運動が盛んになった時期でした。「エンパワーメント」は、こうした抑圧に抵抗する運動において、「個人の潜在能力が発揮できるような、公平な社会の実現」を象徴する言葉として提唱され、やがて一般にも広まったという経緯があります。
現在は社会福祉やジェンダー問題、教育心理学、発展途上国における個人の能力開発といった分野でもよく使われる概念となっています。

分野別の意味

「エンパワーメント」の大まかな意味は以上のようなものですが、現在はさまざまな分野で使われており、それぞれの分野ごとに意味合いが異なっています。以下では、それら分野別の意味合いについて見ていきましょう。

ビジネスでの意味

ビジネス用語としての「エンパワーメント」の主な意味は、「権限移譲」というものです。また、「自律性の促進」や「能力の開花」といった意味合いも持ちます。

従来の企業経営では、従業員が細かいマニュアルや上層部の意思にただ従うだけといったケースが主でした。しかし、それでは従業員個々のやる気をそぎ、結果として組織全体の成長を阻むことにもなりかねません。ビジネスにおける「エンパワーメント」の概念は、そうした問題を解決するために、現場に権限を与えて従業員一人一人の自律的な行動を促そうというものです。それにより、企業としてのパフォーマンスを最大化する狙いがあります。

ビジネスにおける「エンパワーメント」には、「管理部門→現場」「上司→部下」へと仕事の権限を移譲する「構造的アプローチ」と、従業員の自己効力感を高める「心理的アプローチ」の2種類が含まれます。

教育分野での意味

教育分野における「エンパワーメント」は、「子供が持つ能力を引き出せるようサポートすること」といった意味で使われています。

前提となるのが、「子供はあらゆる可能性を持つ」という考えで、大人が子供にすべてを教えるのではなく、あくまで子供が自発的に考えることを促す教育方針となっています。子供は挑戦と失敗を重ねることで、試行錯誤を経て自らものごとを学習し、成長していきます。そうした子供の自主性や探求心を自然にはぐくもうというのが、教育分野における「エンパワーメント」の考え方になります。

看護・介護分野での意味

看護や介護の分野での「エンパワーメント」は、「患者の自立」といった意味で使われています。

看護・介護の現場においては、治療に対して患者が受け身になるケースが多くなっています。しかし、問題を根本的に解決するためには、患者本人の前向きな気持ちや行動が欠かせません。そこで、患者が自ら選択・決定できる環境を整え、本人がある程度生活をコントロールできるまで支援するという考えが、「エンパワーメント」になります。例えば、一人でトイレに行けないという患者に対しては、歩行器や手すりを用意することで、補助なしに移動できる環境を整えます。それにより、患者は「自分で行動できる」という実感を得て、治療に対し前向きになれるというわけです。

福祉政策での意味

福祉政策における「エンパワーメント」は、「受益者へ直接渡す補助金を増やし、それを選択する権利を与えることで、本人の自立を促す考え」という意味になります。従来型の一方的にサービスを提供するやり方とは異なり、受益者自身の権限を増やすことで政府の介入を減らし、自立を助ける意図があります。

「エンパワーメント」の使い方・例文

ここまで「エンパワーメント」の意味について見てきましたが、具体的にはどのように使えばよいのでしょうか。この項目では、例文を挙げて「エンパワーメント」の使い方を紹介していきましょう。

  • エンパワーメント経営に切り替えることで、組織の機動力を高めよう
  • 企業に求められるエンパワーメントは、社員一人一人の能力を可能な限り引き出すことだ
  • 個人が自分自身の生き方を自ら決められるように導くのが、エンパワーメント指導だ
  • 患者エンパワーメントのアプローチにより、患者本人の治療に対する積極性が上がってきた
  • エンパワーメント支援は、貧困を自律的に解決する手段として注目されている
  • 彼女のパフォーマンスは、女性たちを強くエンパワーメントした

ビジネスにおける「エンパワーメント」導入の注意点

「意味」の項目で見たように、「エンパワーメント」を導入することで、企業は社員一人一人の能力を高めて組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。しかし、必ずしもそうしたメリットばかりではなく、注意点もいくつかあります。

1つは、「個人と組織の方向性がずれる可能性がある」ということです。個人の裁量が大きくなるぶん、組織との連動がうまく働かなくなるおそれがあります。これを防ぐには、個々が判断できる範囲や、上司に相談すべきケースなどを事前に決めておく必要があります。

もう1つの問題は、「従業員の中には権限移譲に向かない者もいる」ということです。人によっては、自分で考えて動くことが大きなストレスとなり、場合によっては心身に影響を及ぼすこともあります。この対策としては、導入後の個々の社員の能力などを細かくチェックし、必要なら面談や一時停止などの措置を取ることが求められます。

最後に

以上、「エンパワーメント」の意味や使い方について、具体的な例文とともに紹介してきました。

「エンパワーメント」は、「権限移譲」や「力を与える」などの意味として、ビジネス以外でも教育や看護などの分野でよく使われる用語です。一般でも使用例が増えており、これからますます注目度が高まることが予想されます。紹介した意味をしっかり踏まえ、適切な使い方を心がけましょう。