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習慣、慣習、慣例、慣行、恒例、風習、風潮、流行、習俗、文化、伝統の違い

習慣、慣習、慣例、慣行、恒例、風習、風潮、流行、習俗、文化、伝統の違い

習慣、慣習、慣例、慣行、恒例、風習、風潮、流行、習俗、文化、伝統の違いについて

話したり文章を書いたりする上で困るのが、似ているようで意味の違う漢字。
「この場合、最も適切な言葉は何だろう」と迷ってしまった経験は誰でもあるはずです。

習慣や慣習、慣例といった言葉も、使い方を迷いやすい言葉ですが適当に使うのは、社会人として好ましくありません。

そこで今回は、比較的似ている「習慣」「慣習」「慣例」「慣行」「恒例」「風習」「風潮」「流行」「習俗」「文化」「伝統」の11の言葉について、その意味や使われ方の違いを解説していきます。

習慣とは

習慣とは、日常的に決まった行動を取ることを言います。

例えば、毎日朝起きてすぐにシャワーを浴びる、食事の後必ず歯を磨く、休みの日はジムに行くなどといったことです。比較的短いスパンで定期的に繰り返す行為を呼ぶことが多く、たまにやる程度の行為に対しては、習慣とは呼ばれません。

習慣と似た言葉に「慣習」「風習」などがありますが、これらとの違いは、主体が個人か団体かによるところが大きくなっています。習慣は個人と団体の両方に対して使えますが、どちらかと言うと、個人を主体とすることが多くなっています。それに対し、慣習や風習は、特に団体を主体として使われることが多くなっています。

慣習とは

慣習とは、ある集団内で以前から行われている、決まったしきたりなどを言います。
習慣とほぼ同じ意味ですが、こちらは前述のように、会社や学校といった団体に対して使われることが多くなっています。

例えば地域の慣習としては、雑煮に味噌を使う、棟上げの際餅を撒くなどがあります。また会社の場合では、毎日決まった時間に配達を行う、全社朝礼の後部門朝礼を行うなども、慣習に挙げられます。

慣習と似た言葉として、「慣例」「慣行」があります。これらはほぼ同じ意味の言葉として、あまり区別されずに使われることも多くなっていますが、微妙なニュアンスの違いもあります。慣例や慣行に比べ、慣習はどちらかと言うと、「古いしきたり」といったものを指す意味合いが強くなっています。ですので、比較的地域社会などに対して使われるケースが目立ちます。

慣例とは

慣例とは、繰り返し行われることで習慣化したものごとを指す言葉です。
慣習と似た意味合いですが、前述のように、慣習がどちらかと言うと地域社会の古い習慣を言うことが多いのに対し、慣例はより現代的な事柄に対して使われることが多くなっています。

具体的には、市のマラソン大会での市長のあいさつや、会社での定期的なボーナス支給、バレンタインデーでのチョコレートのプレゼントといったことです。

慣習のように、地域の伝統といった比較的重めのニュアンスはなく、単に同じ行為が習慣的に続いているというニュアンスが強くなっています。そのため、どちらかと言うと、学校や会社の行事などに対して使われるケースが多い言葉と言えます。

慣行とは

慣行もまた、同じ行為を日常的に繰り返すことを言いますが、習慣のように個人に対してというより、主に団体に対して使われるようになっています。

例えば、会社で定年になった人に対し全職員が玄関まで見送る、または、新入社員に対して部署の全員で歓迎会を開くといったことなどです。その集団の規則として決まってはいなくても、不文律として定着している行いを言います。

古い習わしという点では慣習と同じですが、慣行はどちらかと言うと、企業などの団体における軽いルールといった意味合いがあります。そのため、慣習ほど強制や拘束といったニュアンスは強くないという違いがあります。
また、慣例との違いは、慣例が「次第に習慣化された」という比較的軽めのニュアンスであるのに対し、慣行はもう少し制式な行事というニュアンスが強くなっています。

恒例とは

恒例とは、あるイベントが決まった季節や日時に行われること、またはそうしたイベント自体を言います。

例えば、クリスマス時期に毎年同じ場所でイルミネーションイベントが開催されたり、学校行事として定期的に遠足が行われる時などに、恒例という言葉が使われます。

慣習が地域の習わしを表すことが多いのに対し、恒例は学校や会社などのイベントに対して使われることがほとんどです。また、個人に対して使われることはあまりありません。
一方、慣例との違いは微妙ですが、恒例の方が行われている期間が短いというニュアンスがあります。3~4年続いただけの行事でも恒例と呼ぶことができますが、慣例はより長期間続かなければ、そのように呼ばれることはないと言えます。

風習とは

風習とは、ある地域社会で多年に渡って行われてきた、行事や儀式、習わしなどの行為のことで、「風俗習慣」を縮めた言葉になります。

例えば1月7日の七草がゆや、お盆の灯籠流し、秋田県のナマハゲなどといった行為が、風習にあたります。

風習は習慣とは違い、個人に対して使われることはありません。国や地方などの、社会で行われる行為に対して使われます。意味合いは慣習と似ていますが、慣習がその土地の生活一般の行為を指すのに対し、風習は祭りや伝統行事など、地域共同体の歴史的なイベントを指すことが多くなっています。それも、数百年などかなり古い歴史を持ち、なおかつ他の地域とははっきり異なる、特殊な行為に対して使われるケースが目立ちます。

風潮とは

風潮とは、自然現象としての潮の流れを指すのとは別に、世の中のさまざまな事物における、一定の動きや流れといった意味があります。

具体的な使い方としては、「歩きスマホが当たり前という風潮には困る」「面倒な付き合いは避けるというのが、最近の風潮だ」「コーヒーはコンビニで買うという風潮がある」といったものがあります。

類語として挙げられるのは、動向、傾向、時流、潮流などです。
意味としては流行という言葉に似ていますが、風潮は流行に比べ、より広い範囲の物事に対して使えるという違いがあります。例えば、単に商品や食べ物の流行りだけでなく、漠然とした世の中の空気や雰囲気も、風潮として表すことができます。また、どちらかというとポジティブなニュアンスより、ネガティブなニュアンスで使われがちという点も流行とは異なります。

流行とは

流行とは、短期間で世間にある一定の傾向が広まることを言います。
ブーム、トレンド、流行りなどという言葉でも表されます。

「河が流れるように物事が世間に広まる」という意味の漢語が語源となっています。かつては主に、徳や疫病が広まることに対して使われており、「流行り廃り」といった意味合いはありませんでした。しかし、動詞の「はやる」と混同された結果、現在のような「短期間で人々の好みが移り変わる」という意味合いが加わることとなりました。
一方、風邪やインフルエンザなどの病気が広まることに対しては、現在でも流行という表現が用いられます。

流行は前述のように、風潮などと似た使われ方をしています。
しかし、風潮に比べ、流行はより限定された場面で使われることが多くなっています。具体的には、人々の食べ物や商品などの嗜好、特定の言葉、遊びや仕草といったものなどに対し、流行という言葉が用いられます。また、どちらかというとポジティブなニュアンスで使われがちなのも、風潮との違いとして挙げることができます。

習俗とは

習俗とは、ある社会の中で続いている習わしやしきたりを言います。
意味や使われ方としては、慣習や風習とほとんど違いはありません。

しかし一般的には、特に宗教や信仰、儀礼にかかわるものを、習俗と呼ぶ傾向があります。
例えば、縄文時代における抜歯の風習や、出産の際に軒の上に樋を置くしきたり、棟上げの際に餅を樋で叩くなどの行為などです。
こうした特定の場での宗教的・儀礼的行為を一般的に習俗と呼んでおり、日常的な行動や制約などについては、習俗に含めないことが多くなっています。

いずれにしろ、村や地域などある程度の歴史を持つ共同体において使われる言葉で、会社や学校、都市に暮らす個人に対して使われることはありません。

文化とは

文化とは、ある集団がこれまで培ってきた技術や学問、芸術、宗教、規範、生活様式といった物事を表す言葉です。
対象となる範囲が幅広く、ほとんど何に対しても使えるという特徴があります。主体となるのは国や地域などの大きな集団が主ですが、企業や学校、グループといった、比較的小さな集団でも用いる場合があります。

文化は、伝統という言葉と同じ意味で使われたり、「伝統文化」などとつなげて使われる場合も多くなっています。しかし、両者には微妙な違いもあります。
伝統は長い歴史を持つものに対して使われることが多くなっていますが、文化は必ずしもそうとは限りません。比較的新しい物事でも、その集団に定着している場合は文化と呼ぶことができます。

伝統とは

伝統とは、集団内で世代を超えて伝えられてきた、ある一定の様式を指す言葉です。

技術や生活様式、社会制度などの物事だけでなく、思想、信仰といった精神的なものまで含まれます。我が国では能や狂言、歌舞伎、相撲などから、ひらがなやおじぎ、豆まきといったものまで伝統に含まれます。

伝統は前述のように、文化とほぼ同じ使われ方をしています。
しかし、文化が時間経過の量をあまり問わないのに対し、伝統は多くの場合、長い時間を経たものに対して使われるという違いがあります。