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「クリティカルマス」の意味とは?使い方や例文

「クリティカルマス」の意味とは?使い方や例文

「クリティカルマス」の意味とは?使い方や例文

「クリティカルマス」は、マーケティング用語としてたびたび使われる言葉です。しかし、一般的にはあまりなじみがないことから、いきなり言われて戸惑ったという人も多いでしょう。では、ビジネスシーンで使われる「クリティカルマス」は、一体どのようなことを表すのでしょうか。

今回は、「クリティカルマス」の意味や使い方について、例文付きで詳しく紹介していきます。

「クリティカルマス」の意味

「クリティカルマス」とは

ビジネス用語で言う「クリティカルマス」とは、「ある商品やサービスが、爆発的に普及するために最小限必要な市場普及率」という意味の言葉です。その数字を超えると、一気に一般へ浸透するという市場普及率のラインを指します。マーケティングの分野に関連する用語で、「クリティカルマスポイント」とも呼ばれます。

「クリティカルマス」の概念は、1962年にアメリカの社会学者エベレット・ロジャースが提唱しました。それによると、具体的な「クリティカルマス」の普及率は16%で、これを超えると一気に一般層へ普及していくとしています。

「イノベーター理論」とは

上記のように、「クリティカルマス」は社会学者エベレット・ロジャースが提唱したものですが、これは「イノベーター理論」というマーケティング理論の一部にあたります。「イノベーター理論」は、新しい商品やサービスなどが世の中に浸透していく過程を、5つのグループに分けて説明したものです。

その5グループは、順番に「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティー」「レイトマジョリティー」「ラガード」と名付けられており、それぞれ市場普及率で区分されています。消費に対する態度は、前の層ほど新しいものに敏感で、後の層ほど保守的になります。

新商品や新サービスは、まずは「イノベーター(普及率2.5%)」に受容され、続いて「アーリーアダプター(普及率13.5%)」へと流れていきますが、この2つの層まで浸透すると、普及率は16%となります。つまり、「イノベーター」と「アーリーアダプター」の合計が「クリティカルマス」であり、これに達すると、一気に後の層にまで広がっていくわけです。言い換えれば、この2つの層までしっかり普及できるかどうかが、市場全体に行き渡らせるためのポイントということになります。このような市場の特徴を指して、エベレット・ロジャースは「普及率16%の論理」と呼んでいます。

「クリティカルマス」の由来

ビジネス用語としての「クリティカルマス」は、物理化学用語の「critical mass」に由来しています。この場合の意味は、「臨界質量」というもので、原子核分裂の連鎖反応を維持するために最小限必要な核分裂性物質の量を指しています。

核分裂性物質が核分裂反応を持続させる状態を「臨界」と呼びますが、物理化学における「critical mass」は、この状態を作るために必要な最小限度の核分裂性物質の質量を言います。「critical」は「臨界の」を意味し、「mass」は「量」を指しています。

「クリティカルマス」の使い方・例文

ビジネスにおける「クリティカルマス」の意味について見たところで、今度は具体的な使い方について見ていきましょう。以下に例文を挙げてみました。

  • 例文:「現在の市場普及率は、クリティカルマスにはほど遠い状況だ」
  • 例文:「クリティカルマス到達を目指して、惜しみなく努力しよう」
  • 例文:「どうやらこのサービスは、新機能の追加がきっかけでクリティカルマスを超えたようだ」
  • 例文:「スマートフォン市場は、当の昔にクリティカルマスの段階に達している」

「クリティカルマス」に達するための施策例

ここまで「クリティカルマス」の意味や使い方について学んできましたが、それでは、実際に「クリティカルマス」の段階に達するためにはどうすればよいのでしょうか。こちらの項目では、「クリティカルマス」到達のための具体的な施策について紹介してみましょう。

低価格や販促キャンペーンの実施

新しい製品やサービスの場合、消費者はそのメリットについて想像しづらい部分が多くなっています。そのため、購入をためらう人が少なくありません。これは、特に革新性が高いものほどそうした傾向が強くなります。このような傾向に対する施策としては、最初の価格を低く設定したり、既存の商品とセットで販売するなどの方法が考えられます。

これによって、消費者の導入に対するハードルが下がり、「試しに買ってみよう」という気分を起こしやすくなります。

「イノベーター」「アーリーアダプター」へのアピール

先にも述べたように、「クリティカルマス」到達のためには、「イノベーター」と「アーリーアダプター」の両方に商品を普及させる必要があります。この2つの層は、どちらも新しい商品やサービスに敏感であり、常にそうしたものに対しアンテナを張っているとともに、自らも強い発信力を有しています。そこで、商品開発の段階からこうした人々が集うプラットフォームで商品をアピールすることも、「クリティカルマス」に向けた施策として有効です。

例えばクラウドファンディングサイトには、新しいものに敏感な人々が多く集まるため、こうした場所でアピールすることで、初期市場で注目を集めるのに大きく役立ちます。

「クリティカルマス」以降の市場参加は遅い

「クリティカルマス」は、このように「それに達すると一気に市場普及率が跳ね上がるポイント」を意味しますが、商品やサービスの提供者としては、1つ忘れてはならない大事な注意点があります。それは、「すでにクリティカルマスに達した市場に参入するのでは遅い」ということです。

新商品やサービスが世の中に受容されるプロセスを「製品ライフサイクル」と呼びますが、このサイクルの初期に参入した企業は、販売拠点やブランド力において大きなアドバンテージを持っています。そのため、成長期にもしっかり利益が出せますし、衰退期にもいち早く備えることができます。一方、市場の拡大期以降に参入した企業は、こうしたアドバンテージがないため、激しい競争にさらされ淘汰されることが多くなっています。

このように、新製品のマーケットに参入する場合は、タイミングの見極めが非常に重要となります。

最後に

以上、「クリティカルマス」の意味や使い方などについて、いろいろと説明してきました。

もともとは物理学の用語ですが、現在はマーケティング用語として使われることが多くなっています。「イノベーター理論」に付属する概念なので、こちらについても知っておくと便利でしょう。仕事では例文で紹介したような使い方を踏まえ、正しく使用するよう心がけてください。