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「コアコンピタンス」の意味とは?使い方や例文など
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コアコンピタンスの意味とは?使い方や例文
コアコンピタンスの意味
「コアコンピタンス」は、英語の「Core competence」という表現をカタカナに移し替えた言葉です。英語での「Core competence」の意味は、簡単に言えば「ある企業が、その活動分野で発揮する他社を圧倒する能力」「競合他社が真似のできないような、核となる能力」というものになります。この場合の「Core」は「芯」や「核心」を指し、「competence」は「能力」や「適性」を指します。
日本語における「コアコンピタンス」の意味も、原語の意味合いをそのまま移植したものとなっています。最初からビジネス用語として作られたもので、一般的にはあまりなじみのない言葉です。
「コアコンピタンス」の由来
「コアコンピタンス」という概念を最初に提唱したのは、経営思想家のゲイリー・ハメルとC・K・プラハラードの2人です。1990年に「ハーバード・ビジネス・レビュー vol.68」に寄稿した論文の中にこの言葉が折り込まれており、そこから一般に広まるようになりました。この中で「コアコンピタンス」は、「顧客に特定の利益をもたらす技術やスキル、ノウハウの集合」であるという説明がされています。
さらに両氏は、「コアコンピタンス」を、「顧客に何らかの利益をもたらす自社能力」「競合相手が真似しにくい自社能力」「広範な市場への参入や、多様な商品の推進が可能な自社能力」の3つで定義しています。
「コアコンピタンス」の具体例には、自動車産業が挙げられます。例えばホンダのエンジン技術は、自動車に限らず芝刈り機や除雪機まで展開されており、他に抜きんでたコア技術であるということができます。また、フォードによる買収が行われる以前の、ボルボの安全技術などもこれに当たります。
「コアコンピタンス」の使い方などについては、この後詳しく見ていきましょう。
コアコンピタンスの使い方・例文
「コアコンピタンス」は上で見たように、「他社にはない独自の強みとなる自社能力」などの意味合いで使われます。提唱者のハメルらは、先の3つの定義を全て満たすものが「コアコンピタンス」であるとしていましたが、現在ではこれら全てを満たさなくても、「自社の強み」全般を表す言葉として使われるようになっています。
それでは、「コアコンピタンス」の具体的な使い方について、以下で例文を挙げて紹介していきましょう。
例文:コアコンピタンスを明確に意識することこそ、競争に生き残るためのポイントだ
「コアコンピタンス」という言葉が使われるのは、自社の生き残り戦略について考える場合が多くなっています。この使い方では、企業戦略の中心となる技術やノウハウをしっかりと意識し、その上で他社との競争に臨んでいこうという意味合いとなっています。
例文②:これまでのコアコンピタンスにしがみつくのではなく、新たなコアコンピタンスを確立すべきだ
「コアコンピタンス」は、一度確立したものがその後もずっと効力を発揮するというわけではありません。ビジネスの世界は常に競争にさらされているので、競合他社による追い上げや逆転も起こりえます。そうした場合に備え、折りに触れて「コアコンピタンス」の見直しも必要になります。こちらの使い方は、そうした点を踏まえたものとなっています。
ケイパビリティとの違い
ここまでは、「コアコンピタンス」の意味や使い方について見てきました。ところで、「コアコンピタンス」に似た言葉として「ケイパビリティ」というものもあります。ビジネスシーンでは混同されやすい2つの言葉ですが、両者にはどういった違いがあるのでしょうか。
ケイパビリティは「組織としての能力」
「ケイパビリティ」は、英語の「capability」に由来しており、本来は「能力」「才能」「特性」といった意味を持ちます。ビジネス用語として使われる場合には、企業がある事業を遂行するにあたっての、「組織としてのすぐれた能力」を指すのが一般的です。具体的には、「素早い業務遂行能力」や「品質保持能力の高さ」「商品生産における効率性の高さ」などが「ケイパビリティ」の例として挙げられます。
コアコンピタンスとの違い
「ケイパビリティ」が「組織の能力全般」であるのに対し、「コアコンピタンス」は前述のように、「企業の優位性を担保する中核的能力」といった意味合いを持ちます。分かりやすく言えば、「コアコンピタンス」は「技術力」、「ケイパビリティ」は「組織力」と言い換えることも可能です。
最後に
以上、「コアコンピタンス」の意味や使い方について紹介してきました。
「コアコンピタンス」は英語の「Core competence」に由来する言葉で、「競合他社の追随を許さない企業の中核能力」といった意味合いで使われます。「ケイパビリティ」と似た意味を持ちますが、「ケイパビリティ」が「組織力」を表すのに対し、「コアコンピタンス」は主に「技術力」についての言葉であるという違いがあります。
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