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「コンソーシアム」の意味とは?使い方や例文
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「コンソーシアム」の意味とは?使い方や例文
社会人になると、それまであまり耳なじみのなかった言葉にたくさん触れることになります。「コンソーシアム」という言葉も、そうしたものの1つでしょう。ビジネスシーンなどでたびたび登場する言葉ですが、詳しい意味が分からず、急に使われて戸惑った経験を持つ人も多いかもしれません。
今回は、「コンソーシアム」という言葉の意味や使い方を紹介するとともに、そのメリットとデメリット、さらに類語との違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてくだい。
「コンソーシアム」の意味
「コンソーシアム」とは
「コンソーシアム」とは、「共通の目標を達成するために協力し合う複数の組織や人の集まり」という意味の言葉です。企業や団体、政府機関、個人など、さまざまなタイプの集団について使われます。
結成の目的もそれぞれのケースで異なり、共同で営利事業を行う場合もあれば、非営利の学術研究交流や技術開発などのために「コンソーシアム」を組む場合もあります。日本語では、「共同事業体」などと訳されます。
「コンソーシアム」の特徴
「コンソーシアム」と呼ばれる集団の特徴としては、「メンバー間で、具体的、個別的なテーマや利害などが共有されている」という点が挙げられます。また、「企業や大学、自治体といった特定のテーマに関連した主体が、お互い対等な立場で参画している」という点も、「コンソーシアム」の特徴になります。
「コンソーシアム」の由来
「コンソーシアム」という言葉は、英語の「consortium」という単語をカタカナ化したものです。「consortium」の意味は、「協会、組合、連合、共同体」といったもので、日本での意味と基本的に変わりません。「consortium of companies(企業コンソーシアム)」のような使い方をされます。また、このほかに「国際借款団(発展途上国への経済援助などの事業に対し、複数の国際機関や政府などが共同で借款を与えるために組織する融資グループ)」という意味もあります。
「consortium」は、もともとはラテン語で「提携、共同、団体」を意味しています。「パートナー」を意味する「consors」が語源で、「consors」はさらに、「con(一緒に)」と「sors(運命)」の二語に分けられます。
「コンソーシアム」の使い方・例文
「コンソーシアム」の意味について学んだところで、続いては実際の使い方について見ていきましょう。ここでは、ビジネス用語としての用法を含めた「コンソーシアム」の使い方について、具体的な例文を挙げて紹介しています。
例文①:「業種を超えた連携コンソーシアム戦略を取るにあたっては、自社の強みについて徹底分析しておくことが求められる」
例文②:「コンソーシアム契約では、問題の責任が不明確になりやすいという難点がある」
例文③:「エアバスの事例は、営利目的のコンソーシアムの中では特に有名なものだ」
例文④:「若手研究者などの人材育成のために、複数の研究機関が連携してコンソーシアムを組むことになった」
例文⑤:「昨今の家庭や地域での教育力の低下という問題に対して、公民館等でコンソーシアムを構築することで取り組んでいこうという動きが見られる」
ビジネスで「コンソーシアム」を組むメリット・デメリット
ここまで「コンソーシアム」の意味や使い方について紹介してきましたが、一体「コンソーシアム」を組むことには、どのような利点があるのでしょうか。ここでは、ビジネスにおいて「コンソーシアム」を組むことで得られるメリットと、その反対のデメリットについても紹介していきましょう。
メリット
「コンソーシアム」のメリットとしては、まず「技術やノウハウが交換できる」という点が挙げられます。複数の企業が提携することで、お互いの得意分野に関する情報のやり取りが生まれ、弱点の強化などにつながります。
また、「工期の短縮やコストの削減が図れる」という点もメリットです。それぞれの技術や人材を活用し合うことで、単独の場合より効率よく仕事を進めることができます。さらに、それによって成果物の品質向上も期待できます。
デメリット
反対に「コンソーシアム」のデメリットとしては、「複数の企業が対等の立場で参加することから、意思決定に時間がかかりやすい」という点が第一に挙げられます。また、業務分担や利益配分、リスク分担の調整でもすんなりとはいかない可能性があります。
「コンソーシアム」の類語
最後に、「コンソーシアム」とその類語との違いについて紹介しておきましょう。
JV
「JV」とは、「joint venture(ジョイントベンチャー)」の略語で、日本語では「合弁企業」を意味します。複数の企業が出資し合い、共同で事業を行う組織のことで、特に土木建築業界でよくみられる形態となっています。「A社とB社がJVを設立した」のような使い方をされます。
「JV」と「コンソーシアム」の形態は一見似ていますが、「コンソーシアム」の場合は必ずしも会社設立や利益追求を目的としていない点で、「JV」とは異なります。
アライアンス
「アライアンス」は利害の一致する企業同士が、それぞれ独立性を保ったまま業務提携する形態です。「今回C社とアライアンスを結ぶことになった」のような使い方をされます。「コンソーシアム」がライバル企業との協力も含むのに対し、「アライアンス」は利害の一致する企業同士で組む点で異なります。
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