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一般常識

「調整」「調節」「調製」の意味と違い

「調整」「調節」「調製」の意味と違い

「調整」「調節」「調製」の意味と違い

「日程を調整する」「ピッチャーの調整法」などのように、「調整」という言葉は日常でも頻繁に使われるものです。その一方で、これとよく似た熟語として、「調節」や「調製」というものもたびたび聞かれるようになっています。これら3語は、いずれも「調」の字が入っていて混同しやすいところですが、それぞれはどのように使い分けられるのでしょうか。

今回は、「調整」「調節」「調製」の3つの言葉の意味や違いについて解説していきますので、それぞれを使い分ける際の参考にしてみてください。

「調整」とは

調整

「調整(ちょうせい)」とは、「調子をととのえたり、物事の過不足などに手を加えて、つり合いの取れた状態や正しい状態にしたりすること」という意味の言葉です。「ラジオの周波数を調整する」「翌日に急な会議が入ったので、スケジュールを調整しなおした」「メンバー各人の意見を調整して、グループとしての方針をまとめる」などのように使われます。

「調整」の「調」の字は「ほどよくする」「調子を合わせる」などを、「整」の字は、「そろえる」「乱れたものをきちんとする」などの意味を表します。

「調節」との違いは、「元の状態や正しい状態にする」という意味合いを含む点にあります。これに対し「調節」は、後述するように、特に基準となる状態があるわけではありません。

「調節」とは

調節

「調節(ちょうせつ)」とは、「ほどよく整えること」「つり合いをうまく整えること」という意味の言葉です。「テレビの音量を調節する」「シャワーの温度を調節する」「ロープの長さを調節する」などのように使われます。

「調節」の「節」は、「区切り」を意味する漢字ですが、この場合は「ほどあい」や「頃合い」「適度」などの意味を表します。

「調節」と「調整」の違いは微妙ですが、細かく使い分けることも可能です。「調整」は、本来の状態から狂ったり乱れたりしたものを直すことに重点がありますが、「調節」の場合は狂いや乱れなどを前提としません。あくまで「ほどよい状態にすること」というだけなので、明確な基準があるわけではなく、匙加減はケースによって異なります。たとえばお風呂の適温は人によって異なるので、こうした点から見ると、「調節」の方が適していると言えます。

「調製」とは

調製

「調製(ちょうせい)」とは、「きまりなどに合うように整えてつくること」「注文に合わせてつくること」という意味の言葉です。「神饌を調製する」「折詰を調製する」「注射液の調製法について学ぶ」などのように使われます。

「調製」の「製」は、「衣服を裁ち作る」を表す漢字ですが、この場合は「ある材料を用いて、形の整ったものなどを作り上げる」の意味になります。

「調製」と「調整」は、全く意味が違います。「調製」には、「本来あるべき状態や正しい状態にする」といった意味はありません。ですので、「成分無調製」などという使い方は、誤りということになります。「整(ととのえる)」と「製(つくる)」の違いに注目すると、両者を使い分けやすいでしょう。

「調整」「調節」「調製」の意味と違い

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