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一般常識

「彫刻」「塑像」の意味と違い

「彫刻」「塑像」の意味と違い

「彫刻」「塑像」の意味と違い

アートに関する用語に、「彫刻」と「塑像」の2つがあります。これらは「彫塑」とひとまとめにして呼ばれることもあるように、どちらも非常に似た印象の言葉となっており、場合によっては混同されて使われることもあります。しかし、実際には両者は明確に異なる言葉であり、きちんと使い分けることが可能です。では、具体的にどういった点で区別されるのでしょうか。

今回は、「彫刻」と「塑像」の2語の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「彫刻」とは

彫刻

「彫刻(ちょうこく)」とは、「ほりきざむこと」を意味する言葉です。「彫」の字は「ほる」「ほりきざむ」を、「刻」の字は「きざむ」を意味しています。「仏像を彫刻する」などのように使われます。

「彫刻」と呼ばれる作品は、一般的に木や石などの立体素材をほりきざんで作ったものを指します。「丸彫り」と「平彫り」の2種類に大別されますが、前者は素材の塊を四方から彫り出して作ったものを、後者は平たい素材の一面に浮き上がらせる形で彫ったものを指します。

一般に言う「彫刻」と「塑像」の主な違いは、制作手法にあります。「塑像」についてはのちほど説明しますが、「彫刻」の場合は、素材を削り落とすことだけで形を付けていくのが特徴です。そのため、たとえ削り過ぎたとしても、基本的に元に戻すことはできません。これに対し「塑像」は、何度でもやり直すことが可能です。

「塑像」とは

塑像

「塑像(そぞう)」とは、「粘土で制作した像」を意味する言葉です。「塑」は、「粘土」を意味する漢字になります。唐から日本に伝来し、奈良時代に盛んにつくられました。木の芯に藁を巻き付け、その上に粘土を付けていく手法と、簡単な木像の上に薄く肉付けしていく手法の二通りがあります。

一方、現代における「塑像」は、ブロンズ像などの原型として作られるのが一般的です。石膏や合成樹脂で型取りして金属製の像を作るための、粘土で制作された型を指します。

広い意味の「彫刻」には「塑像」も含まれますが、通常両者は、制作手法や素材の違いで区別されます。「彫刻」が前述のように、木や石を彫り削ることで作るのに対し、「塑像」は基本的に、粘土を付け加えることで制作する点で使い分けられます。

「彫刻」「塑像」の意味と違い

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