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「分離礼」の意味とは?使い方や例文
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「分離礼」の意味とは?使い方や例文
社会人になってまだ日が浅い人にとっては、ビジネスマナーの習得は頭の痛い問題でしょう。特に日本人にとって大事なマナーが「お辞儀」ですが、この「お辞儀」の作法に、「分離礼」というものがあります。しかし、この「分離礼」がどういったものかについては、新社会人の中にはまだよくわからないという人も多いはずです。
そこで今回は、ビジネスマナーで重要視される「分離礼」の意味や使い方などについて、詳しく解説していきたいと思います。
「分離礼」の意味
「分離礼」とは
「分離礼」とは、挨拶の作法の一種で、「先に挨拶の言葉を述べてから、その後でお辞儀をするやり方」を意味します。言葉による挨拶とお辞儀のタイミングが分かれていることから、「分離礼」と呼ばれています。接客サービスなどの職種で、お客様のお出迎えやお見送りの際などに用いられます。読み方は、「ぶんりれい」になります。「語先後礼(ごせんごれい)」と呼ばれることもあります。
「分離礼」の流れ
「分離礼」は、以下のような流れで行います。
まず、姿勢を美しくして立ち、視線をきちんと相手に向けてから、挨拶を述べます。その後、上体を倒してお辞儀の動作に移ります。頭をしっかり下げ終わったら、そのまま姿勢を一旦止め、それからゆっくりと上体を起こすという流れです。
「分離礼」の使い方・例文
「分離礼」の意味について分かったところで、実際の使い方についても見てみましょう。ビジネス用語としての「分離礼」は、以下の例文のように使われます。
例文:「お客様をお迎えする時は、必ず分離礼を行うように」
例文:「分離礼をする時は、まず相手と目を合わせてから挨拶するのが大事だ」
例文:「挨拶とお辞儀のタイミングがはっきり分かれていないと、分離礼とは言えない」
例文:「分離礼は、聴覚に障がいがある人への配慮という点でも、大事な意味がある」
例文:「分離礼は形だけにならず、気持ちを込めることを忘れないように」
例文:「会釈の際には、分離礼より同時礼の方が適している」
「分離礼」のお辞儀の仕方
「意味」の項目で、「分離礼」をする際のお辞儀の仕方について軽く述べましたが、ここではより詳しいやり方や、大事なポイントについて説明しておきましょう。
お辞儀の仕方
まずは上で述べたように、姿勢を正してきれいに立ちます。そして、視線を相手としっかり合わせて挨拶を述べた後、ワンテンポ置いてお辞儀をします。この際、首だけを曲げてしまわないよう気をつけましょう。お辞儀をする際は、頭から腰まで背筋をまっすぐ伸ばした状態で倒すのが基本です。この際手の位置は、男性の場合指をまっすぐ伸ばし、体の横につけておきます。女性の場合は、左手で右手を覆う形にして、体の前で重ねます。ただ、職種によっては男性も手を前で重ねることがあるので、この点は要注意です。
頭を下げ終わったら一旦止めて、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。このとき、下げる際より気持ち遅めのスピードで体を戻しましょう。動作の終わりは、始まりと同じく丁寧に行うことを心掛けます。
お辞儀のポイント
上の一連の流れの中で大事なポイントは、「倒した上体を一旦止める」という部分です。これはついおこたりがちな点ですが、上体をきちんと止めることにより、メリハリが出て美しい動作に見えます。また、頭の位置はできるだけ相手より低くし、起き上がるタイミングもやや相手より遅くすると、より丁寧な印象になります。さらに、表情を意識するのも忘れないようにしましょう。謝罪やお悔やみなどの場面でない限り、笑顔を浮かべるのが基本です。
もう一点、ポイントとして挙げられるのが、「少し大きめに動く」ということです。一般的に言って、自分の体は自分が思うほど、きちんと動いてくれません。本人はかなり頭を下げているつもりでも、傍から見るとほんの少しだけということはよくあります。ですので、少しだけ大きい動作を意識した方が、見え方としてはかなり良くなります。
「分離礼」と「同時礼」の違い
「分離礼」と同時によく引き合いに出される言葉に、「同時礼(どうじれい)」というものがあります。「同時礼」とは、「挨拶の言葉とお辞儀とを同時に行うやり方」という意味の言葉です。例えば、同僚などと廊下ですれ違う際、「お疲れ様です」の一言と同時に行う一礼が、これにあたります。挨拶の作法としては、略式のものにあたります。これに対し、挨拶とお辞儀を別々に行う「分離礼」は、お客様の送迎や、改まったお礼などの場面で使われます。作法としては、こちらの方がより丁寧で正式なものであるとされています。
最後に
以上、「分離礼」の意味や使い方などについて、例文を交えつついろいろと紹介してきました。
ビジネスシーンでは、お辞儀を行う状況が頻繁にあります。特に接客業や受付などの職種では重要なマナーとなるため、正しい「分離礼」のやり方は、ぜひマスターしておきたいところです。それ以外の職種でも、美しい「分離礼」ができることは貴重なスキルとなりますので、紹介したようなポイントをきちんと押さえておくようにしましょう。
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