一般常識
「没落」「凋落」の意味と違い
スポンサーリンク
「没落」「凋落」の意味と違いとは
「没落」と「凋落」の2語は、どちらも「落ちぶれる」という意味を持つ点で共通しています。2つとも同じような使い方ができそうですが、どこかに使い分けのポイントはないのでしょうか。
今回は、「没落」と「凋落」の意味や違いなどについて解説しますので、使い分ける際の参考にしてみてください。
「没落」とは
「没落」とは、「栄えていたものが衰えること」という意味の言葉です。それまで繁栄していた国や家が、勢力を失って衰退することを言います。読み方は「ぼつらく」で、「あれほど栄華を誇った一族も、今はすっかり没落してしまった」「イギリスでは20世紀に入り、没落する貴族が急増した」のように使われます。
「没落」の「没」という字は、「しずむ」「おとろえる」を意味しています。「落」の字もまた、この場合「おちぶれる」を意味します。
「凋落」との違いは、「滅びる」という意味合いを含む点にあります。「凋落」については後述しますが、「没落」はただ衰えただけでなく、すでに滅んでしまったものに対しても使われる点が特徴です。
「凋落」とは
「凋落」とは、本来「花や葉がしぼんで落ちること」という意味の言葉です。読み方は「ちょうらく」で、「凋落の秋」「咲き乱れた花が凋落する」のように使われます。現在ではこの意味から転じて、「勢いが衰えること」「落ちぶれること」の意味で使われることが多くなっています。この場合は、「見る影もなく凋落した一族」「凋落の一途をたどる国家」のように使われます。
「凋落」の「凋」は、寒さで葉がしぼんでいく様子を表す漢字で、訓読みは「しぼむ」になります。
「凋落」と「没落」の違いは微妙なところですが、前述のように「滅びる」の意味を含むかという点で使い分けられます。上で見たように、「没落」には「滅亡」の意味合いも含まれるのに対し、「凋落」には「衰える」の意味しかありません。また、「没落」には「一気に落ちぶれる」のニュアンスがあるのに対し、「凋落」は「ゆっくり衰退してく」というニュアンスを持つ点も、両者の違いに挙げられます。
この記事が気に入ったら いいね!しよう