ビジネス用語
「ベースアップ」と「定期昇給」の違い

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ベースアップと定期昇給の違いについて
社会人になると、よく耳にするようになる言葉がいくつかありますが、賃金制度に関わる言葉もその一種でしょう。中でも「ベースアップ」や「定期昇給」という言葉は、よく耳にはするものの、実は違いについてよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「ベースアップ」と「定期昇給」という2つの言葉について、意味や違いを詳しく解説していきます。
ベースアップとは
「ベースアップ」とは、基本給の水準が一律にアップすることを指す言葉です。「ベース」とは「基本給」のことを指しており、日本だけで使われる和製英語になります。「ベア」と略して言うことも多く、例えば「ベースアップ」が0円である場合、「ベアゼロ」などと呼ぶようになっています。
「ベースアップ」は「定期昇給」と違い、企業側と労働組合側の折衝によって決まります。そうした折衝は「春闘(春季闘争)」と呼ばれており、2月~3月にかけて各企業ごとに行われ、賃上げ交渉などの雇用条件改善が話し合われます。その結果、ベースアップ1%が決定したとすると、従業員の基本給は一律に1%ずつアップします。年齢などに関係なく基本給が上がるという点も、後述するように「定期昇給」との大きな違いになっています。
定期昇給とは
「定期昇給」とは、従業員の年齢や勤続年数に比例して、基本給が上昇していく給与制度のことです。「年功序列賃金制度」などとも呼ばれており、昭和初期から現在まで続く、日本的経営の柱と言うべきシステムとなっています。
「定期昇給」は、年齢が1つ上がるか、または勤続年数が1年加わるごとに基本給がアップしていく仕組みです。従業員それぞれが、段階を経て賃金をアップさせていくという点は、前述のように「ベースアップ」との大きな違いとなっています。
基本給の上がり具合は「賃金カーブ」と呼ばれる曲線で表すことができ、企業にとっては負担の想定が立てやすいなどのメリットがあります。その一方で、賃金レベルが能力に見合わない場合もあるなどの弊害があり、現在では成果主義の給与制度に移行する企業も増えています。

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