社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「軋轢」「確執」「摩擦」の意味と違い

「軋轢」「確執」「摩擦」の意味と違い

「軋轢」「確執」「摩擦」の意味と違い

「軋轢が生じる」や「軋轢を生む」といった表現は、普段の生活でも目にする機会が多いでしょう。一方、この「軋轢」によく似た言葉として、「確執」と「摩擦」というものも挙げることができます。これら3つの言葉は、それぞれ同じように置き換え可能に見えますが、何か違いなどはないのでしょうか。また、あるとすればどの点が異なるのかについても気になります。

今回は、「軋轢」「確執」「摩擦」の3語の意味や違いについて、詳しく解説していきましょう。

「軋轢」とは

軋轢

「軋轢(あつれき)」とは、もともとは「車輪のきしること」を意味する言葉です。
「軋」は「きしる」や「きしむ」を意味する字で、「轢」の字は「車輪がすれあって音を立てる」を意味します。
ここから転じて、現在は「葛藤の生じること」「仲が悪くなること」の意味で使われることが多くなっています。具体的には、「夫婦の間に軋轢が生じた」「これ以上の議論は、余計な軋轢を生むだけだ」のように使われます。

「軋轢」と「確執」はよく似ていますが、「不和のいきさつを示すかどうか」において違いがあります。「確執」については後述しますが、「軋轢」の場合は、特に不和が生じた原因などについては問題とされません。単に「仲が悪い状態になること」を表す点が、「軋轢」の特徴となっています。

「確執」とは

確執

「確執(かくしつ)」とは、「互いに自分の意見を主張して譲らないこと」という意味の言葉です。また、その結果として生じる不和の状態も指します。
「確」の字はこの場合、「しっかりしていて動かない」を意味し、「執」の字は「こだわる」「意地を張る」を意味します。
「保守派と革新派の確執は根深い」「長年の確執により、2人は犬猿の仲になってしまった」「遺産の配分をめぐって、親族間に確執が生じた」のように使われます。

「軋轢」との違いは、このように、「意見のぶつかり合いによる対立」を示す点にあります。「軋轢」の場合、不仲の原因については問いませんから、必ずしも「確執=軋轢」ではありません。一方、「摩擦」との違いは、やはり「意見の対立」が原因とは限らない点にあります。

「摩擦」とは

摩擦

「摩擦(まさつ)」とは、「物と物とがすれあうこと」という意味の言葉です。「摩」の字は「すれる」「こすれる」を表し、「擦」の字は「こすり合わせる」を表しています。さらに、この意味から転じて「相手との間に意見や感情の食い違いが起こり、仲が悪くなったり衝突したりすること」の意味でも使われます。この場合は、「選手と監督の間に摩擦が生じているようだ」「日米貿易摩擦の問題は、1970年代以降一気に表面化した」のように使われます。

「摩擦」は、やはり「意見の対立が原因とは限らない」点で「確執」と異なります。一方「軋轢」とは、原因について特定していない点では同じですが、使い方において少々違いがあります。「軋轢」の場合、「摩擦」とは違って「貿易軋轢」「経済軋轢」などとは使われません。この点で、両者を区別することができます。

「軋轢」「確執」「摩擦」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします