HOME>一般常識>跡・後・迹・痕・址・墟・瘢・趾・蹤・蹟の意味と違い

一般常識

跡・後・迹・痕・址・墟・瘢・趾・蹤・蹟の意味と違い

跡・後・迹・痕・址・墟・瘢・趾・蹤・蹟の意味と違い

「跡」「後」「迹」「痕」「址」「墟」「瘢」「趾」「蹤」「蹟」の意味と違い

「あと」と読む漢字には、さまざまな種類があります。代表的なのは「跡」や「後」といったものですが、そのほかに「痕」や「址」「迹」といったものもあります。これらは一体、どのような意味の違いを持つのでしょうか。それぞれの特徴などについても知りたいところです。今回は、「跡」「後」「迹」「痕」「址」「墟」「瘢」「趾」「蹤」「蹟」の意味と違いについて紹介していきましょう。

跡とは

「跡」の意味は、複数あります。主な意味合いは、次の5つです。
1つ目は「何かが通って行ったしるし」というもので、「靴跡」や「犯人の跡を追う」「涙が伝った跡」のように使います。
2つ目は、「以前に何かが行われたしるし」というもので、「消しゴムで消した跡」や「苦心の跡」のように使います。
3つ目は「以前に何かが存在したしるし」という意味合いで、これは「隕石の跡」や「城の跡」のように使われます。
4つ目は「家督」の意味合いで、「父の跡を継いで酒屋になった」のように使います。
そして5つ目は、「先人の手本」などという意味合いで、こちらは「古人の跡にならう」のように使います。
訓読みは「あと」で、音読みは「せき」「しゃく」になります。

「後」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。

後とは

「後」の意味合いも、複数あります。
1つは「背中の向いている方向」というもので、「うしろ」の意味です。「ふるさとを後にする」のように使います。
2つ目は「ある時点からのち」というもので、「このことは後で考えよう」のように使います。
3つ目は、「順番の終わりの方」という意味合いで、「出席番号は後の方だ」のように使います。
4つ目は「ものごとのしまいに残ったもの」というもので、「後は1人だけだ」のような使い方になります。
訓読みは「あと」で、音読みは「ご」「こう」になります。

「後」と「跡」は、このように意味合いははっきり違います。「あとをつける」のように、「跡」と「後」が両方当てはまる場合もありますが、「跡をつける」は「痕跡を残す」を表し、「後をつける」は「尾行する」を表すという違いがあります。

迹とは

「迹」とは、「あしあと」を意味する言葉です。足で踏んだところや、車で通ったところに残るしるしを指し、「跡」と同じ意味合いになります。
「迹」は、「跡」の異体字(標準の字体と形は異なるが、意味や読みは同じで通用する漢字)にあたります。訓読みは「あと」ですが、音読みでは「せき」「しゃく」となります。

「迹」はこのように、「跡」と意味合いは違いませんが、使われる機会はかなり少なくなっています。これは、「迹」の字が常用漢字表に含まれないためです。そのため同じ意味でも、一般的には「跡」の字が使われるようになっています。

痕とは

「痕」とは、「傷のあと」という意味の言葉です。負傷した部位に残ったしるしを言います。音読みは「あと」で、訓読みは「こん」となります。「刀痕」や「瘢痕」などのように使われます。
「痕」の字は、「人が病気で寝台にもたれている」象形と「踏みとどまる」を表す象形から成り、「傷が治ったあともとどまったあと」を意味する漢字として使われるようになりました。

「痕」はまた、「消えないで残ったあとかた」という意味もあり、こちらは「痕跡(こんせき)」や「墨痕(ぼっこん)」「血痕(けっこん)」などのように使われます。

「痕」は「跡」と一部意味が重なるところもありますが、使われ方が限定される点に違いがあります。「痕」は、「何かが通ったしるし」や「家督」などといった意味で使われることは、ほとんどありません。

址とは

「址」は、「建物の土台」という意味の言葉です。「址」は「土を止める」と書くように、「固定された土の部=土台」を表します。訓読みでは「あと」となりますが、音読みでは「し」となります。「基址(きし)」などと使われます。

「址」はまた、「建物があったあと」という意味でも使われます。この場合は、「遺址(いし)」や「旧址(きゅうし)」「城址(じょうし)」といった使い方になります。「跡」もこの意味で使いますが、「址」の字の方が、「建物のあと」という意味がよりはっきりするという違いがあります。
ただし、「址」の字は常用漢字に含まれないため、新聞などでは原則として使われないようになっています。

墟とは

「墟」とは、「荒れたあと」という意味の言葉です。建物や都市などの構造物が、長年人に使われずに荒れ果てた状態になったものを言います。読み方は、訓読みでは「あと」や「おか」となりますが、音読みで「きょ」と読むことが通常です。「廃墟(はいきょ)」「殷墟(いんきょ)」などと使います。「殷墟」とは、殷王朝(古代中国の王朝)の首都があった場所の遺跡のことです。

「墟」はまた、「大きな丘」という意味で使うこともあります。この場合は「丘墟(きゅうきょ)」などと言いますが、あまり一般的な使い方ではありません。

このように、「墟」は主に「廃墟」を指すという点で、「跡」や「後」などとは違います。

瘢とは

「瘢」とは、「きず」や「きずあと」「あと」を意味する漢字です。外傷などが治癒したあとの変性部分について言い、「瘢痕(はんこん)」や「瘢瘡(はんそう)」などと表すことが一般的です。また、「しみ」や「そばかす」といった意味もあり、この場合は、「雀瘢(じゃくはん)」などと使われます。読み方は音読みの「はん」が通常で、訓読みとして「きず」「きずあと」「そばかす」などと読まれることもあります。

このように、「瘢」は「あと」という意味はありますが、一般的には「あと」と読まれることはありません。「きずあと」という意味では「痕」と同じですが、単独で使われることはほとんどなく、主に「瘢痕」などと熟語で使われるようになっています。また、「そばかす」などの意味を持つ点も、「痕」との違いになります。

趾とは

「趾」は、「あし」という意味の言葉です。くるぶしから下の部分を指します。また、医学的には「足の指」を指す字でもあります。例えば「母趾」といった場合には、「足の親指」を指しています。「趾」はまた、「あと」や「あしあと」「ものごとのあと」といった意味もあります。この場合は、「遺趾(いし)」などといった具合に使います。「遺趾」とは、建物や城などが建っていたあとという意味の言葉で、「遺跡」と同義になります。「趾」にはさらに、「ねもと」という意味もあります。訓読みは「あと」「あし」「ねもと」で、音読みは「し」になります。

「趾」は「址」と意味合いが似ていますが、上記のように、「あし」や「あしゆび」の意味を含む点で違いがあります。また、「址」のように「建物の土台」という意味はありません。

蹤とは

「蹤」とは、「あと」や「あしあと」「人の行いのあと」を意味する言葉です。「蹤跡(しょうせき)」「先蹤(せんしょう)」のように使われます。「蹤跡」は「ことが行われたあと」などを表し、「先蹤」は「先人がことを行ったあと、先例」などを表します。

「蹤」にはまた、「つく」や「したがう」という意味もあります。この場合は「追蹤(ついしょう)」などと使います。「追蹤」とは、「追跡」の意味です。訓読みは「あと」「あしあと」「したが(う)」で、音読みは「しょう」になります。

「蹤」は「跡」と意味合いが似ていますが、「跡」とは違い、「家督」や「存在のしるし」などの意味はありません。また、「したがう」という意味を持つことも、「跡」にはない「蹤」の特徴です。

蹟とは

「蹟」とは、「あと」や「ものごとが行われたあと」という意味の言葉です。読み方は、訓読みが「あと」で、音読みは「せき」「しゃく」となります。「遺蹟(いせき)」や「旧蹟(きゅうせき)」「史蹟(しせき)」「事蹟(じせき)」などのように使われます。

「蹟」と「跡」は、ほとんど意味に違いはありません。実際に、多くの場合で両者を置き換えて使うことが可能です。ただ、「蹟」は人名用漢字には含まれるものの、常用漢字には含まれないという違いがあります。