一般常識
「充てる」「宛てる」「当てる」の意味と違い
スポンサーリンク
充てる・宛てる・当てるの意味と違い
「あてる」と読む漢字には、「当てる」「宛てる」「充てる」などがあります。これらは意味が重なる部分もあり、使い分けに少々とまどうことも少なくありません。個々の詳しい意味合いを知っておくことで、正しい使い分けもしやすくなるでしょう。そこで今回は、「充てる」「宛てる」「当てる」の意味と違いについて解説したいと思います。
充てるとは
「充てる」とは、簡単に言えば「割り当てる」という意味の言葉です。ある目的のために、人員や金品などを割り当てたり振り向けることを指します。「借金返済に充てるためのお金」「募金をして費用に充てる」「スタッフを人員不足の部署に充てる」のように使われます。「充てる」の「充」は、「女性が子供を産む」と「人」の象形から成っています。これは「育って成人になる」を表しており、そこから「みちる」などを意味する漢字として成り立ちました。
「充てる」と「当てる」などは、辞書においては同じ言葉であると説明されています。ただし、「充てる」の意味は「当てる」に比べて限定的であり、上記のような「割り当てる」という使い方しかされません。この点は、「当てる」との大きな違いになります。
宛てるとは
「宛てる」の意味合いは、「割り当てる」「当てはめる」「名指しする、指名する」というものですが、このうち主に使われるのは、「名指しする」の意味合いです。特に、荷物や手紙を送る際の届け先の指定という意味合いでよく使われます。「母に宛てて手紙を書いた」「友達に宛てたはずの荷物が戻ってきた」のように使われます。
「宛てる」の「宛」という字は、「屋根」「ひざまづく人」などの象形から成っています。その意味は「部屋でくつろぐ人」というもので、本来は「かがむ」や「まがる」を意味する漢字でした。しかし、日本独自の使い方として、「指名する」などの意味が加わっています。
「宛てる」と「当てる」も、辞書においては意味の違いはありません。しかし実際に使われる際は、「届け先を指名する」の意味では「宛てる」の表記を使うのが一般的です。
当てるとは
「当てる」の意味合いは複数あります。1つは、「あるものを別のものに接触させる」というもので、「ボールを的に当てる」「額に手を当てる」のように使われます。もう1つは、「狙い通りの状態にする」という意味合いで、こちらは「予想を当てる」「競馬で一山当てる」などの使い方になります。そしてもう1つは、「ほかのものに合わせる、振り分ける」というもので、こちらは「余った時間を読書に当てる」「次の試合にはエースを当てる」のように使います。「当」の字は「田畑」「祈る」などの象形から成り、「田畑にいのってことに“あたる”」ことを意味しています。
前述のように、「当てる」と「宛てる」「充てる」は、辞書では同じ言葉です。しかし、「当てる」の使う範囲は広く、ほかの2つはその一部に限定されているという違いがあります。
この記事が気に入ったら いいね!しよう