一般常識
「足」「脚」「肢」「葦」の違い
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足・脚・肢・葦の違い
「あし」という言葉を漢字で表すとき、いくつかの異なる表記が頭に浮かびます。「足」や「脚」といったものですが、それらには一体、どんな違いがあるのでしょうか。また、それぞれどういった使い分けをすればよいかも気になるところです。
そこで今回は、「足」「脚」「肢」「葦」という4つの言葉について、それぞれの意味や違いを詳しく解説していきます。
足とは
「足」とは、一般的には動物の胴体に付属し、歩いたり体を支えるといった用途に使われる部分を意味します。また、歩いたり行ったり来たりすることや、歩行の速度、能力を指して「足」と表現する場合もあります。この場合は「足を止める」「足が速い」などのように使います。
「足」という漢字は、人間の胴体の象形に立ち止まった足の象形を加えたものからできています。
「足」と「脚」を同時に使う場合には、表す部位に違いを持たせていることが通常です。この時「足」という字が表す部位は、特に足首から先の部分を指すようになっています。これに対し、「脚」という字は、後述するようにそれ以外の部位を指します。
また「足」という表記は、「足を洗う」「地に足のついた」「足蹴にする」など、あしを使った比喩表現の際に多く用いられるという特徴もあります。
脚とは
「脚」もまた、動物の胴体から突き出て、移動や体を支持するのに使われる部位を指す言葉です。おおよその意味は、「足」と違いはありません。「脚」という漢字は、「あとずさる」を表す象形から成っており、「あとずさりする時に使う部位=あし」を意味しています。
「脚」と「足」との違いは、前述のように具体的に表している部位にあります。「足」が足首から先、つま先までの部位を指すのに対し、「脚」は足首から上、骨盤までの部分を指すようになっています。
また「脚」という表記は、昆虫のあしを指す際に使われることが多いのも特徴です。
「脚」はまた、動物の体以外に、物に対しても使われることがあります。この場合は、「椅子の脚」や「脚立」などのような具合に使われます。
肢とは
「肢」は「あし」の他に「し」や「え」とも読まれ、本来は「手足」を意味する言葉です。「肢」という字は「枝分かれした状態」を表しており、生物の肉体から枝分かれした部位=手足を指すようになっています。「手」の部位まで含むということは、「足」や「脚」との大きな違いと言えます。「四肢」などのように使われます。
「肢」という表記は、「足」や「脚」に比べ、通常使われる機会はそう多くありません。使われるのは、主に医学や生物学の分野においてです。例えば哺乳動物の場合、人間の手にあたる部位を「前肢(ぜんし)」、足にあたる部位を「後肢(こうし)」と呼びます。人間の場合は、手を「上肢(じょうし)」、足を「下肢(かし)」と呼ぶようになっています。
葦とは
「葦」はイネ科の多年草を意味する言葉です。「芦」や「蘆」と書く場合もあります。2~3mほどの高さで堅い茎を持ち、円柱形で、細長い葉が互生しているのが特徴です。沼や川の岸に生えて、大きな群落を作ります。読み方は「あし」が本来のものですが、「悪し」に通ずるとして、「よし(善し)」と呼ぶこともあります。
このように、「葦」は「足」や「脚」「肢」などと違い、植物を指すようになっています。読み方が同じなため、「足」と取り違えることもありますが、意味がまったく違うので注意が必要です。ちなみに「考えるあし」という場合の「あし」は、この「葦」を当てるのが正解です。
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