一般常識
「遍く」「普く」の意味と違い

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「遍く」「普く」の意味と違いとは
「あまねく」という言葉は、文語的な表現として、小説などでたびたび目にする機会のあるものです。ところで、この言葉の漢字表記には「遍く」と「普く」の2つがありますが、この2つがどのような違いを持つか気になるという人も多いでしょう。果たして両者には、使い分けのポイントなどはあるのでしょうか。
今回は、「遍く」と「普く」の意味や違いなどについて、詳しく解説していきましょう。
「遍く」とは
「遍く」とは、「もれなくすべてに及んでいるさま」という意味の言葉です。世間など広い範囲に行き渡っているさまを言います。「彼女が特異な才能の持ち主であることは、世の中に遍く知れ渡っている」「夜空に遍く広がる星々」のように使われます。
「あまねく」は、形容詞「あまねし」の連用形にあたります。「あまねし」の意味は、「すみずみまで広く行き渡るさま」になります。
「遍く」の「遍」の字は、「行く」「ひらたい」の象形から成り、「ひらたく行き渡る」の意味を持ちます。
「普く」との意味の違いは、基本的にありません。どちらも同じ意味を持ち、同じように使えますが、使われ方の傾向にはやや違いが見られます。「遍く」は「普く」に比べ、古典文学などでよく見られる古風な表記となっています。
「普く」とは
「普く」とは、「広く」「一般に」などを意味する言葉です。あるものごとが、すみずみにまで行き渡っている様子を指します。「彼は、国内では普く知られた俳優だ」「スマートフォンは、今や全世界に普く広まっている」のように使われます。
「普く」の「普」という字は、「並び立つ」「太陽」の象形から成り、「(太陽の光が)広く行き渡る」さまを表します。ここから「広く行き渡る」「広い」などの意味で使われるようになりました。
「遍く」との違いは、上で述べたように基本的にありません。どちらも「あまねし」の連用形にあたり、同じ場面で使うことができます。ただ、前述のように「遍く」の表記が古くから使われていたのに対し、「普く」は明治以降に使われるようになったという特徴があります。ですので、近代的なニュアンスを持たせたい場合は、「普く」を使うという使い分け方もできます。ただし、どちらも常用漢字表に含まれない読みなので、公文書などで使用することはできません。
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