一般常識
「前出」「前述」の意味と違い
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「前出」「前述」の意味と違い
文章を書いていると、前の方で述べたことがらなどにもう一度言及するケースがよくあります。そうした時によく使われるのが、「前出」と「前述」の2語です。この2つの言葉は、意味合いや役割はよく似ていますが、何となく異なるイメージを持つという人も多いでしょう。果たしてこの2語は、どこかの点で使い分けることはできるのでしょうか。
今回は、「前出」と「前述」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は、参考にしてみてください。
「前出」
「前出(ぜんしゅつ)」とは、「前に記したり、示したりしてあること」という意味の言葉です。また、その部分についても言います。「前出の登場人物の中に、物語の鍵を握る者がいる」「前出のA氏は以下のように語っている」「ここで前出のグラフをもう一度見てみよう」のように使われます。
「前述」との意味の違いは、基本的にはありません。辞書でも「前出」の説明で「前述」の語を使っていますが、実際の使われ方の傾向にはやや違いがあります。「前出」はどちらかというと、具体的・限定的な内容を示したい場合によく使われる点が特徴です。たとえば「鈴木太郎」という特定の人物について再度言及する場合には、「前述の鈴木さん」とするよりも、「前出の鈴木さん」とするケースが多くなっています。
「前述」
「前述(ぜんじゅつ)」とは、「前に述べたこと」という意味の言葉です。先に言葉や文章で述べたことに、後でもう一度触れる際に使われます。「前述の内容を改めて繰り返しますが」「この方法に問題が多いのは、前述のとおりです」「前述したように、A氏にこれといった落ち度は見られません」のように使われます。
上でも述べたように、「前述」と「前出」に特に意味の違いなどはありませんが、使われ方の傾向は若干異なります。「前出」が人物などピンポイントのものごとについてよく使われるのに対し、「前述」はより幅広い内容(まとまった文章や言葉、事実など)について使われるという特徴があります。
とは言え、明確な使い分けの基準があるわけではないので、どちらを選ぶかは好みで決めて問題はありません。
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