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ストライキとは?ストライキ中の賃金や種類
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ストライキとは?ストライキ中の賃金や種類について
たびたびニュースや新聞などで騒がれるストライキ。
ストライキは日本だけでなく世界的に行われる労働者による活動のことを言います。
ここではストライキとはどういったものなのか?からストライキ中の賃金支払いや種類について紹介していきます。
ストライキとは
ストライキとは労働者側の要求を通すために労働者が集団で仕事を休止することを言います。
賃上げや残業代の支払いなどをはじめ様々な労働条件の改善などを会社側に要求し通すことを目的にストライキが実行されます。
ストライキを労働者に実行されることで例え短期間であっても会社の一部または全ての業務が停止するため会社経営が成り立たなくなったり、会社の社会的な信用が低下するなどの打撃を与えることが可能となります。
日本語では同盟罷業 (どうめいひぎょう)とも言われ 、労働者(労働組合)はストライキをする権利を法律によって保有しています。また、世界人権宣言の内容を基礎として、これを条約化した国際人権規約においても権利として保有しています。
ただし、日本の法律では公務員など一部の労働者によるストライキが禁止されているため誰でもストライキを起こせる訳ではありません。
正当なストライキは罪に問われない
先程も記載したようにストライキは法律によって認められています。そのため正当なストライキは刑事罰はもちろん損害賠償などの民事上でも免責されます。
そのためストライキによって会社に損害が発生したとしても会社は労働者に損害賠償などを請求することはできません。
ただし、あくまでも正当なストライキであった場合に限られ、ストライキ活動で認められていない暴力や器物破損など行った場合やストライキに参加しない労働者に対して恫喝(パワハラなど)を行った場合には刑事上・民事上の免責がなされません。
他にも労働組合などの総意を得ずに勝手に一部の社員で行うストライキも正当なストライキとは認められていません。
ストライキ中の賃金は発生しない
労働者は労働の対価として賃金を受け取ります。そのため遅刻や欠勤により労働を行わなかった場合に賃金が発生しないのと同様にストライキにより労働をしなかった場合もその分の賃金を会社が労働者に対して支払う義務はありません。
ただし、就業規則等にそれらの事項に対する記載がある場合にはそれに従う必要があり、「ストライキ中も賃金の全額、一部を支払う」と言ったような明記がされている場合には会社側は労働者に賃金を支払う義務が発生します。
ちなみに労働者が労働していない時間に賃金を支払う義務が発生しないことを「ノーワーク・ノーペイの原則」と言います。
ストライキの種類
一般的にはストライキとはこれまで紹介してきたようなものをさしますが、その他に様々なストライキが存在しています。ここからはいつかのストライキの種類について紹介していきます。
ゼネラルストライキ
これまでストライキとは一部の会社などで労働者により労働を休止することと説明してきましたが、全国の全産業や一部の地域、さらには同じ産業の労働者が一斉にストライキを行う場合もあります。
これはゼネラルストライキと呼ばれ、主に国の政策などに対して労働者が起こす場合が多くみられます。
また、上記で紹介したストライキなどと比べる規模が多いなどの特徴があります。
ハンガーストライキ
ハンガーストライキとはHunger (飢え,飢餓)によるストライキでストライキを行う者が飲まず食わずの状態で行う争議行為のことを言います。
飲まず食わずの過酷な状況を相手や世間に見せつけることで強く主張できると言った特徴があり、日本でも入国管理局収容施設の収容者がハンガーストライキを行った事例などがあります。
納金スト
主に公共料金等の集金者が集金したお金を特定の口座に入れておき、会社に渡さないストライキの事を言います。
ただし、過去には横領などの罪で裁判となったケースもありその正当性については疑問点が残ると言われています。
政治スト
上記で紹介したハンガーストライキや納期ストはストライキ活動のやり方で種類別されたものになりますが、政治ストとは政策に対する抗議や労働者の政治に対する要求などを求めるストライキのことを指します。
同情スト
労働者自身の要求を通すためのストライキではなく、別の企業で起きている問題などに対して支援をするために同情して行われるストライキのことを言います。
日本ではまずみられないうえに正当性がないと言われています。
山猫ストとは(ワイルドキャットストライキとは)
ストライキは通常、労働者の連帯組織である労働組合で承認されはじめて行うことができます。一方、山猫ストとはそういった労働組合の承認なしに一部の社員が勝手にはじめるストライキのことを指します。
もちろん、勝手にはじめたストライキであることから正当性はありません。
欧米などでワイルドキャットストライキと呼ばれていたものが日本語に置き換えられ山猫ストと呼ばれるようになりました。
スト権スト
スト権ストとはストライキを行う権利を得るために行われるストライキのこと。
冒頭でも記載したように公務員をはじめ一部の労働者は法的にストライキを行うことが禁止されています。
公務員によるストライキが禁止されているのには様々な理由がありますが、主に社会が機能しなくなることや一般の労働者と違い給与などの保障がされている立場であることから禁止されていると言われています。
集改札スト
通常のストライキは労働者が業務を放棄するケースが多くみられます。しかし鉄道などは一般市民のインフラでもあるためストライキが起こると一般の利用者にも大きな打撃を与えてしまいます。
そのため電車やバスを中心に労働者が業務を行いながらも運賃などの料金を利用者から徴収しないストライキが集改札ストとなります。
料金を徴収しないため会社としては事業が行われているものの売上を立てることができません。
一斉休暇闘争
一斉休暇闘争とは労働者が一斉に有給休暇を取ると言ったストライキのこと。
「会社を辞める決断をしたらなら知っておくべき14のポイント」にも記載したように会社は基本的に労働者からの有給休暇申請を断ることができません。そのため集団で休暇をとることで会社の全体または一部を麻痺させ自分達の要求を通そうとする方法です。
単に休暇闘争とも言われることがあります。
時限スト
時限ストとは決められた時間だけストライキを行うことをいいます。
例えば昼の12時から14時までの2時間のように1日中ストライキを行うのではなく時間を限定してストライキを行います。
主に学校や交通機関などで時限ストが行われることが多く、利用者の多い時間などを避けるのが目的で行われます。
一部スト
一部の労働組合のみが行うストライキのことを一部ストと言います。その他の労働組合はストライキに参加せず労働を行うため参加しなかった労働者の賃金は支払う必要が会社にはあります。
ただし、一部の労働組合のストライキによってその他の労働者も業務を行えなかった場合にはストライキに参加できなかった労働者にも賃金を支払う必要がないと判断される可能性があります。
部分スト
部分ストとは労働者全員で行わず労働組合に指名されたごく少数の一部の労働者のみがストライキを行うことを言います。
労働組合から指名された一部の者のみがストライキを行うことから指名ストとも呼ばれています。
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