一般常識
「伺う」「窺う」「覗う」の意味と違い
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「伺う」「窺う」「覗う」の意味と違いとは
「伺う」「窺う」「覗う」の3つは、いずれも「うかがう」と読む言葉です。一見どれも同じ内容を表しているようですが、実際には場面に応じた使い分けができます。では、それぞれの違いはどの点にあるのでしょうか。
今回は、「伺う」「窺う」「覗う」の意味や違いなどについて解説していきましょう。
「伺う」とは
「伺う」の主な意味は、2つあります。1つは、「“聞く・尋ねる”の謙譲語」というものです。「謙譲語(けんじょうご)」とは、こちらがへりくだって相手を立てるための言葉で、いわば「お聞きする」「お尋ねする」といった意味になります。例えば「ぜひお話を伺いたい」という場合は、「ぜひお話を聞かせていただきたい」という意味になります。
もう一つの意味合いは、「“訪問する”の謙譲語」というものです。やはり訪問する相手の立場を上げるための表現で、「お訪ねする」「参上する」の意味合いになります。ですので、「明日の午後3時に伺います」という場合は、「明日の午後3時にお訪ねします」の意味になります。
「伺」の字は、「他人の身の回りの世話をつかさどる人」を表し、「訪問する」「こっそり様子をさぐる」などの意味を持ちます。
「窺う」などとの違いは、以下で見ていきましょう。
「窺う」とは
「窺う」の主な意味合いも、2つあります。1つは「そっと様子をさぐる」というもので、「戸の隙間から中を窺ってみる」「表情から内面までは窺えない」「人の顔色を窺ってばかりだ」のように使われます。
もう1つの意味合いは、「様子を見て、好機が来るのを待ち受ける」というものです。この場合は、「脱走のチャンスを窺う」「反撃のタイミングを窺う」のように使われます。
「窺」の字は、「穴からのぞき見る」さまを表し、「のぞく」「そっと見る」などの意味を持ちます。
「伺う」とは同語源ですが、現在の使われ方には違いがあります。「伺う」は通常「聞く・尋ねる」「訪問する」の謙譲語として用い、「窺う」は「様子をさぐる」「都合の良い時機を待ち受ける」の意味で用いるといった具合に使い分けられています。
「覗う」とは
「覗う」とは、「のぞいて様子を見る」という意味の言葉です。隙間や小穴から向こうをのぞいたり、様子をさぐったりする際に使われます。「鍵穴から室内を覗う」「物陰から相手の動きを覗う」のように使われます。
「覗」の字は、「小さな隙間からのぞく」さまを表しており、「そっと見る」などの意味を持ちます。
「覗う」と「窺う」の表記には、ほとんど意味の違いはありません。どちらも、「見えにくいものを探ろうとする」行為を指しています。ただ、「覗」は「覗き(のぞき)」と使われるように、「無断でこっそり見る」といった失礼なニュアンスが含まれる点が、「窺う」との微妙な違いとなっています。
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