社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「通達」「通知」「勧告」の意味と違い

「通達」「通知」「勧告」の意味と違い

「通達」「通知」「勧告」の意味と違い

「通達」という言葉は、時折耳にする機会のあるものです。社会人の場合、「人事通達」などの使い方がおなじみでしょうが、「厚生労働省通達」のように、行政機関で使われるケースもよく見られます。ところでこの「通達」と同じく、行政機関等で何かを伝える際に使われる言葉に「通知」「勧告」というものもありますが、この3語はそれぞれどのように違うのでしょうか。

今回は、「通達」「通知」「勧告」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。

「通達」とは

通達

「通達(つうたつ)」とは、「告げ知らせること」という意味の言葉です。特に、行政官庁が所管の機関や職員に対し、所掌事務に関する事柄について文書で知らせることを言います。また、その文書について指す場合もあります。「通達を出す」「警察庁の施策を示す通達」などのように使われます。

「通達」は、前述のように主に行政内部において使われるものですが、民間企業で使われる場合も少なくありません。その場合は、「人事通達」や「社長通達」のような形で使われます。

「通知」との違いは、「内容が命令的である」点にあります。「通知」についてはこの後説明しますが、「通達」の場合、基本的に立場が上の者が下の者へ命令する場合に出される点が特徴となっています。

「通知」とは

通知

「通知(つうち)」とは、「告げ知らせること」という意味の言葉です。また、その知らせについても言います。自分の意思やある事実について、特定の相手に伝えることを言います。「総会の日時を通知する」「入学許可の通知が届く」「クラス会の通知を出す」などのように使われます。

「通知」も「通達」も、行政内部や民間企業内部の連絡を指す言葉として使われますが、内容の性格には違いがあります。「通達」が上記のように、上の者から下の者への命令的な連絡であるのに対し、「通知」は内容が命令的であるとは限りません。どちらかというと、ある事柄についての単なる「お知らせ」であることの方が多くなっています。そのため、「通知」を「通達」に言い換えられないケースが一般的です。

また、「通知」は個人が知らせる場合にも使われる点も、「通達」との使い分けのポイントになります。

「勧告」とは

勧告

「勧告(かんこく)」とは、「ある行動をとるように説きすすめること」という意味の言葉です。当事者に対してある事柄についての処置の仕方を説き、「そのようにした方が良い」と行動を促すことを言います。「社員Aに辞職を勧告する」「敵に降伏を勧告する」などのように使われます。

「勧告」はまた、指揮命令の関係のない行政機関が、互いの自主性を尊重した上で、相手機関の任務達成に関し専門的立場からの意見を提供することについても言います。この場合は、「人事院勧告」のような使い方が該当します。

「勧告」と「通達」も、行政機関において使われる点で共通しますが、それぞれの性格は違います。前述のように、「勧告」はあくまで「説きすすめる」ための連絡であり、「通達」に比べると命令的・強制的なニュアンスは少なくなります。双方の立場も、基本的に上下の差はありません。

「通達」「通知」「勧告」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします