社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「他方」「一方」の意味と違い

「他方」「一方」の意味と違い

「他方」「一方」の意味と違い

「他方」と「一方」という2つの言葉は、日常会話ではそれほど使う機会はないかも知れませんが、ビジネスシーンなどの堅い場面や文章などでは、触れることも少なくないでしょう。この2語はともに同じような機能を持っており、イメージが似通っていることから、使い分けに迷うという人も多いと思います。果たしてこれらの言葉は、どこかの点で区別できるのでしょうか。

今回は、「他方」と「一方」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。

「他方」

他方

「他方(たほう)」には、名詞としての用法と、副詞的な用法の2種類があります。前者の場合の「他方」は、「他の方向」「もう一方のもの」の意味を表し、「彼は仕事上の知識は豊富だが、他方の実生活においては、まるで世間知らずだ」「こちらの製品は新機能が付いていますが、他方には付いていません」のように使われます。

それに対し、後者の場合の「他方」とは、「他の方面から見ると」という意味を表します。この場合は、「この件はAに非があるが、他方、彼にも気の毒な部分はある」のように使われます。

後者の用法の場合、「一方」との間に意味の違いはありません。しかし、前者の用法においては、「一方」とは明確に異なります。「一方」が後述するように、「1つの方面」や「その方向にかたよること」の意味を持つのに対し、「他方」にはそうした意味は含まれないようになっています。

「一方」

一方

「一方(いっぽう)」もやはり、2種類の用法があります。まず名詞としての「一方」とは、「1つの方面」を意味し、「一方通行」のように使われます。また、「2つあるうちの1つ」の意味もあり、「一方の意見だけ聞くのは不公平だ」のように使われます。そのほか、「体重が増える一方だ」のように「その方向・方面にかたよること」の意味や、「彼は忍耐強い一方で、怒ると手が付けられない面もある」のように「~する反面」の意味も持ちます。

もう1つの接続詞としての用法では、「関連するもう1つの方について言うと」の意味になり、「君はBさんに謝ったと言った。一方、Bさんは謝罪されてないと言っている」のように使われます。

上で述べたように、副詞としての「他方」と接続詞としての「一方」の意味には、特に違いはありません。どちらも基本的に、同じように使うことができます。ただ、名詞としての用法では、「一方」には「1つの方面」や「その方向にかたよること」の意味がある点で区別できます。たとえば、「一方通行」は「他方通行」と言い換えられず、「体重が増える他方だ」といった表現もされないという具合です。

「他方」「一方」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします