一般常識
「生息不明」「消息不明」の意味と違い
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「生息不明」「消息不明」の意味と違い
ある人が突然いなくなり、どこでどうしているか分からない状態になった時、よく「消息不明」という言葉が使われます。一方、これとよく似た言葉で、「生息不明」というものを目にする場合もありますが、この2つは一体どの点が異なるのでしょうか。字面がほとんど同じで区別しづらい両者ですが、使い分けのポイントがあるなら知りたいところです。
今回は、「生息不明」と「消息不明」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分け方について知りたい方は、参考にしてみてください。
「生息不明」とは
「生息不明(せいそくふめい)」とは、「生息」と「不明」の2つの熟語を組み合わせて出来た言葉です。「生息」は「人間や動物が生きながらえること」「生活すること」を意味し、「不明」は「あきらかでないこと」「はっきりしないこと」などを意味します。
つまり「生息不明」とは、「人間や動物が生きているかどうかはっきりしない」といった意味を表すと言うことができます。「観察していた野生動物の1匹が、1週間前から生息不明となっている」などのように使われます。
「生息不明」と「消息不明」では、問題の焦点となる部分に違いがあります。「生息不明」で焦点を当てられているのは、「生きているかどうか」という部分です。対象の「生死」を最大の問題としているところが、「生息不明」の特徴であると言えます。
「消息不明」とは
「消息不明(しょうそくふめい)」とは、「消息」と「不明」の2語から成る4文字熟語です。「不明」の意味は上記の通りですが、「消息」は「人やものごとの、その時々のありさま」「動静」「状況」や、「状況や用件などを手紙などの手段で知らせること」といった意味を表します。
この場合の「消息」は後者の意味なので、「不明」と合わせると、「今どこでどのように過ごしているかわからない」といった意味を表すことになります。「同級生のAは長年消息不明だったが、最近になって居場所が分かった」「同僚が1ヵ月ほど前から消息不明の状態で、事件に巻き込まれたのではないかと心配されている」のように使われます。
「生息不明」との違いは、「居場所がどこか」という部分に焦点が当てられているところにあります。「生息不明」の場合は「生死」が問題でしたが、「消息不明」の場合は「所在」が最も大きな問題となります。ただ実際には、「消息不明」にも「生存しているかわからない」という意味は含まれており、表現としてはかなり重いニュアンスを持ちます。
また、「消息不明」は主に人間に対して使われるのに対し、「生息不明」は人に対してはあまり使われないという違いもあります。
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