社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「侍」「武士」「武将」「大名」の意味と違い

「侍」「武士」「武将」「大名」の意味と違い

「侍」「武士」「武将」「大名」の意味と違い

歴史関連の話題でよく出てくる語に、「侍」や「武士」、「武将」、「大名」というものがあります。これらの語はどれもイメージが似ているため、それなりに歴史に関心がある人でも、区別するのは決して容易ではありません。いずれも「いくさの従事者」という点で同じように見えますが、果たしてどういった部分で区別されるのでしょうか。

今回は、「侍」「武士」「武将」「大名」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。

「侍」とは

侍

「侍」の元々の意味は、「主君や主家のそば近くに仕える人」というものです。
「侍」は「さぶらう」の漢字表記で、「仕える」を意味していました。貴族に仕える者が「さぶらい」と呼ばれていたのが、やがて「武力をもって主君に仕える者の総称」の意味に変化していきます。現在一般に使われる場合の「侍」とは、後者の意味を指します。

「侍」と「武士」は、現在は同じものとして認識されていますが、成り立ちには違いがありました。先に生まれたのは「武士」で、「侍」はその後に誕生したものになります。「武士」については後述しますが、「侍」は自身ではなく、主君のために働くという点に大きな特徴があります。仕える対象は貴族から「武士」へと変わっていき、それにつれて両者の意味が混同されるようになりますが、根源的には「主君を頂く」という点で「武士」と使い分けられます。

「武士」とは

武士

「武士」とは、「武芸を習い、主として軍事にたずさわったもの」を意味する言葉です。武芸を専業とする身分の者について言います。「武」は「威力」や「意気盛んで勢いがあるさま」を、「士」は「つわもの」などを意味しています。「武士道」「武士に二言なし」などのように使われます。

「武士」と「侍」は、上記のように誕生の背景が違います。「武士」の起こりは諸説ありますが、一般的には、平安時代に自衛や勢力拡大目的で武装した者がそう呼ばれるようになったとされています。その後力をつけた「武士」たちは、やがて貴族や都の警護を担うようになり、身分階級として認められていきました。そして誰かに雇われることが一般的となった結果、そうした「武士」を「侍」という呼称で呼ぶようになります。ここから前述のような、「武士=侍」の混同が始まっていったというのが経緯です。

「武将」とは

武将

「武将」とは、「戦陣の将」や「武士の大将」を意味する言葉です。また、「武道にすぐれた将軍」の意味もあります。「戦国武将」「真田幸村は特に人気の高い武将の一人だ」などのように使われます。

「武将」の「将」という字は「統率者」を表し、「ひきいる」や「したがえる」、「軍隊をひきいる人」などの意味で使われます。

「武将」と「武士」は、「部下の有無」によって使い分けることができます。「将」は上記のように「統率者」を表しますから、付き従う者の存在が前提となります。「武士」はこれとは違い、「軍事に携わるもの」全般を指しており、部下を持たない兵士も含まれます。

一方、「大名」との違いは、大まかに言えば「大規模な所領の有無」に求められます。詳しくは、以下で説明しましょう。

「大名」とは

大名

「大名」の意味は、時代によって違います。語源は諸説ありますが、もともとは律令制下の「大名主(だいみょうしゅ=広い田地を持つ有力者)」を指していたとされます。これが鎌倉時代には、所領を持って家来を従えた有力武士を指すようになり、戦国時代に入ると、地方を支配し家臣に知行地を与えて統轄した者をそう呼ぶようになりました。さらに江戸時代になると、将軍に直属し、一万石以上の所領を与えられた武家を指して呼ぶようになります。

つまり「大名」とは、かいつまんで言えば、「大きな領地を持ち、ほぼ独自の采配でそこを統治した武将」ということになります。「武将」の中でも特に位の高い者で、戦国時代では主に総大将にあたる層だけが、江戸時代には一万石以上の領地を持つ層だけが該当しました。

このように、「大名」は「特に規模の大きな領地や家臣を持つ」という点で、「武将」と使い分けることができます。

「侍」「武士」「武将」「大名」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします