一般常識
「折り込む」「織り込む」の意味と違い
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「折り込む」「織り込む」の意味と違い
「紙を“おりこむ”」「その考えは“おりこみ”ずみだ」のように、「おりこむ」という言葉は日常でも頻繁に耳にします。一方、これを漢字表記にする場合、「折り込む」と「織り込む」の2つが候補として挙がってきますが、これらは混同して扱われることも少なくありません。しかし、実際には両者は表す内容が全く異なり、明確に使い分けることが可能です。
今回は、「折り込む」と「織り込む」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。
「折り込む」とは
「折り込む」とは、「内側に折る」という意味の言葉です。また、折り曲げて中の方へ入れることについても言います。たとえばベッドメイクの際に、「シーツの端をマットレスの下に折り込む」などと表現されます。「折込む」と表記される場合もあります。
「折り込む」はまた、「折り込み(折込)」と名詞形で使われることも多く、この場合は「新聞の折り込み広告」のように使われます。
「折り込む」の「折」の字は、「バラバラになった草木」などの象形から成り、「物に力を加えて現在の状態とは違う形にする」といった意味を表します。
「織り込む」との主な違いは、「特定の動作のみを表す」点にあります。一方の「織り込む」は、後述するように、慣用句として他の意味合いも表す点が特徴となっています。
「織り込む」とは
「織り込む」とは、「地色と違う色の糸や模様を入れて織る」という意味の言葉です。1つの布地などを作る際に、さまざまな異なる色合いの糸や模様、素材を組み込んでいくことを言います。「布地に貝殻を織り込む」「金糸が織り込まれた優勝旗」のように使われます。
「織り込む」はまた、上記の意味から派生して、「1つの物事の中に、他の物事を含みこませる」「組み入れる」という意味も持つようになりました。この場合は、「寓意が織り込まれた物語」「その可能性はすでに織り込みずみだ」のように使われます。
「織り込む」の「織」という字は、「より糸」などの象形から成り、「機(はた)で縦糸と横糸を組み合わせて布地を作る」の意味を表します。
「織り込む」と「折り込む」は、表す動作の内容が違います。「織り込む」には、「内側に折る」という意味はありません。また、慣用句としての用法を持つ点でも使い分けられます。「考えを“おりこむ”」という場合は、「折り込む」ではなく「織り込む」が当てはまります。
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