社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

ビジネス用語

「になります」は間違った敬語、例文、「となります」との違い

「になります」は間違った敬語、例文、「となります」との違い

社会人にとって、正しい言葉づかいは必須のスキルです。しかし、日本語の敬語表現は、母国語といってもきちんと使いこなすのは簡単ではありません。「になります」という表現も、一般的によく使うわりに、ビジネスシーンでは間違った使い方をされるケースが多くなっています。誤用を指摘されて恥をかかないように、正しい意味や使い方をしっかりつかんでおきたいところです。

本記事では、「になります」の本来の意味とともに、間違った使い方・正しい使い方についての例文などを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「になります」の本来の意味

「になります」とは、「になる」という語の丁寧な表現です。「になる」は「に」と「なる」に分解されますが、品詞で言うとこの「に」は格助詞(体言に付いて文節同士の関係を表す助詞)にあたり、「なる」は動詞にあたります。

動詞「なる」はさまざまな意味を持ちますが、格助詞「に」と結びついた場合には、主に「今までと違った状態に変わる」「ある時分に至る・合計である数値に達する」の意味を表します。たとえば、「氷が溶けて水になる」「もう少しで3時10分になる」といった具合です。また、「ためになる」のように「作用する」の意味も持ちます。

一方「になります」は、最近では「です」の丁寧語として使われるケースも多くなっていますが、こちらは後述するように、間違いにあたります。

「になります」の間違った使い方と正しい使い方

「になります」の誤った使い方

「になります」は、上で述べたように、近年「“です”の丁寧語」という誤った使われ方をするケースが増えました。具体的な間違いの用法について、以下に例文を挙げていますので、職場などで使わないように注意してください。

例文①:「こちらが領収証になります」

例文②:「こちらが今回の試作品になります」

例文③:「ご注文の品はこちらになります」

例文④:「お手洗いは、廊下の突き当り右側になります」

例文⑤:「おつりが750円になります」

⑤の場合、合計された数値ではないので、間違いということになります。

「になります」の正しい使い方

間違った使い方に続いては、正しい使い方についても紹介しておきましょう。ビジネスシーンでは、以下の例文のような使い方を心がけてください。

例文①:「早いもので、会社を立ち上げてもう10年になります」

例文②:「お会計は、全部で5,320円になります」

例文③:「この春から係長になります」

例文④:「もうすぐ12時になりますから、一旦休憩を挟みましょう」

例文⑤:「大変参考になります」

「となります」との違いは?

ところで、「になります」とよく似た敬語に「となります」というものがありますが、両者はどう違うのでしょうか。

「となります」の主な意味は、「変化・変更があった際の結果」というもので、「になります」と大きな違いはありません。ただ、ニュアンスや使用される状況という点では、「になります」とはやや異なっています。

「となります」という表現の持つニュアンスは、多少形式ばっている点が特徴です。ですので、話し言葉としてより、書き言葉として使われるケースの方が多くなっています。会話中で使えないわけではありませんが、やや堅苦しい調子になってしまうので、相手によっては窮屈に感じられる恐れもあります。

一方、「になります」は、丁寧ですが比較的柔らかい印象があるため、どちらかというと話し言葉として使われる機会が多くなっています。

「お世話になります」は正しい表現

ここまで「になります」の用法などについていろいろ見てきましたが、ビジネスシーンでは、「お世話になります」という表現もよく聞くようになっています。上では、「になります」は「変化に伴う結果」や「数値などがある値に達する」、「作用する」などの丁寧な表現であると述べましたが、「お世話になります」はこのどれにも当てはまりません。それではこの言い方は間違いなのか言うと、決してそうではなく、れっきとした正しい表現にあたります。

「世話になる」とは「恩恵を受ける」の意味の表現で、一般でもよく使われています。「ごちそうになる」などの言い方も、同じ意味合いです。ビジネスシーンにおいては、日頃の付き合いのある相手に対する感謝を表す言葉としてよく使われますので、しっかり覚えておきましょう。

「になります」は間違った敬語、例文、「となります」との違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします