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一般常識

「内縁」「事実婚」の意味と違い

「内縁」「事実婚」の意味と違い

監修者

弁護士:村岡つばさ(よつば総合法律事務所千葉事務所)

よつば総合法律事務所千葉事務所

弁護士 村岡つばさ

よつば総合法律事務所の弁護士の村岡と申します。日常生活や会社を運営する中で気になる法律の問題を分かりやすく解説します。

「内縁」「事実婚」の意味と違いとは

「うちの内縁の妻が~」「俳優の●●が事実婚を発表した」というように、「内縁」「事実婚」という単語を耳にしたことも多いかと思います。ただ、これらの単語の正確な意味や違いについてはよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。

今回は、「内縁」や「事実婚」という単語の意味や違いについて、解説していきます。

「内縁」とは

内縁

「内縁」とは、「事実上の夫婦関係にあるものの、婚姻届の提出がないために、法律上は夫婦として認められていない男女の関係」という意味で用いられる単語です。読み方は「ないえん」で、「内縁の妻」「内縁の夫」「内縁状態」のように使われます。

どのような状態にあれば「内縁」関係にあると認められるか、という点は難しい問題ですが、少なくとも、①当事者間に婚姻の意思があり、②社会的に見て夫婦と同視できるような生活関係があること等が必要と考えられています。そのため、「長く交際を続けていた」としても、そもそも当事者間に婚姻の意思がなければ、内縁関係とは評価されません。

なお、この後見ていきますが、「内縁」と「事実婚」とでは、基本的な意味合いは異ならないため、明確に使い分けをせず、同じ意味でこれらの単語が用いられることも多くあります。ただ、何らかの事情によって婚姻届を出すことが困難な場合には「内縁」、カップルの主体的な選択として婚姻届けを出さない場合(=出すことができるけど出さない)を「事実婚」、というように、「婚姻届を出さないのが意図的・主体的か」という点で両者を使い分けることもあります。

「事実婚」とは

事実婚

内縁と同様、「事実婚」も、「事実上の夫婦関係にあるものの、婚姻届の提出がないために、法律上は夫婦として認められていない男女の関係」を意味する単語です。これは感覚的なものですが、ここ最近だと、「内縁」よりも「事実婚」という単語が用いられることが多い印象です。特に、この後見る「法律婚」と対比する場面では、「事実婚」が用いられることが多い印象を受けます(字面が分かりやすい、というのも理由かと思います)。

 基本的な意味合いは内縁と同じですが、先に見た「違い」で記載した通り、主体的に法律婚を回避したような場合には、「内縁」ではなく「事実婚」という単語が用いられることがあります。例えば、「法律婚の場合にはどちらかが氏を変更しなければいけないが、夫婦別姓を維持したい」といった文脈では、「事実婚を選択した」という表現が用いられることが多いです(このような文脈では、あまり「内縁」という単語は用いられないでしょう)。

 また、配偶者を紹介するような場面では、「事実婚」ではなく、「内縁」という単語が用いられることが多いです。「内縁の妻」「内縁の夫」という表現はよく使われますが、「事実婚の妻」「事実婚の夫」という表現はほとんど使われません。

「内縁」「事実婚」の意味と違い

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