一般常識
「○名」「○人」の意味と違い、使い分け方
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「○名」「○人」の意味と違い、使い分け方
日本語で物などの数を数える際には、数字の後に続けてある言葉を付けるのが通常です。「1個」や「2棟」といった具合ですが、一方人を数える際には「1人、1名」、「2人、2名」といったように主に「名」と「人」の2種類が使われるようになっています。では、この2つの語は、一体どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。その点についてあらためて考えてみると、意外に分かりづらいことに気が付きます。
今回は、「○名」と「○人」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。
「○名」とは
「名(めい)」とは、「なまえ」を意味する漢字ですが、「1名」「2名」などと「何名」と使う場合には、人数を数える助数詞の役割を果たします。「先着5名様にサイン色紙プレゼント」「お客様3名をテーブルに案内する」などのように使われます。
「名」を人を数える助数詞として使うケースには、以下の2つがあります。1つは「個人が特定できる場合」で、もう1つは「改まった場面」です。前者は、たとえばある会社の社員や警察官であれば個人が特定できるので、「社員○名」「警官○名」などと表現することができます。後者は、接客や接待などの場面が当てはまり、「○名様」「○名の方」などの使い方がされます。
これに対して「○人」という数え方は、「○名」とは違い、後述のように個人の特定ができない場合などに使われるようになっています。
「○人」とは
「人(にん)」とは、「ひと」などを意味する漢字ですが、やはり「1人」「2人」などと助数詞としても使われるようになっています。「1,000人を超えるファンが会場に集まった」「野球は1チーム9人から成る」などのように使われます。
「○人」と「○名」は、どちらも助数詞として使う点で違いはありませんが、両者の使い分けのポイントは、「個人の特定ができるか」と「改まる必要があるか」の2点に求められます。個人の特定ができない場面、たとえば花火大会の来場者は、個々の名前や身分などは分からないため、「何名」ではなく「何人」が使われます。「100万人以上の来場者」といった具合です。また、友達同士の集まりのように改まる必要がない場面も、「今日はあと3人来る予定だ」のように「人」が使われます。
もともと人を数える際には、「人」を使うのが通常でしたが、明治時代になってから、陸軍において「名」が使われるようになりました。これには、戸籍制度が整って個人の特定が可能となったことが関係していると考えられています。
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