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X-Tech

Legal Tech(リーガルテック)の意味とは?リーガルテックサービス19選

Legal Tech(リーガルテック)の意味とは?リーガルテックサービス19選

「X-Tech」と呼ばれる言葉の範疇に、「Legal Tech(リーガルテック)」というものがあります。「リーガル」という付く通り、法律関係の用語ですが、海外での注目度の高まりを受けて、近年では日本でも脚光を浴びつつあります。法律に関する業務の効率化に大きな役割を果たすと期待される「リーガルテック」ですが、具体的にはどんなものを指すのでしょうか。

本記事では、「リーガルテック」の意味と共に、分野別の具体的事例についての一覧も紹介していきたいと思います。

Legal Tech(リーガルテック)の意味

「Legal Tech(リーガルテック)」とは、前述のように「X-Tech(クロステック)」と呼ばれるものの1分野で、「Legal (法律)」と「Technology(技術)」を合わせて作られた言葉です。
「X-Tech」は、先端技術の活用で既存産業に新しい価値や枠組みを提供する取り組みのことですが、「リーガルテック」の場合は、「法律サービスの利便性向上のため、ITを活用して開発された製品・サービス」を表します。

発祥は、訴訟大国として知られるアメリカで、テクノロジーを利用することで膨大な証拠の精査などに役立つとして、2010年ごろから一気に発展し始めました。日本においても、働き方改革や生産力向上などの課題を抱える法務業務の効率化の面から、近年「リーガルテック」の注目度が高まっています。

リーガルテックサービス一覧

契約書

ここからは、具体的なリーガルテックサービスの一覧を紹介していきましょう。まず1つ目のカテゴリーは、「契約書」です。

ビジネスにおいて契約書の作成や管理は、言うまでもなく重要な意味合いを持ちます。しかし、実際の業務には条文のチェックなどで多くの時間や人手が必要となり、生産性の点で大きなネックとなっています。
これに対し近年は、AIやクラウド技術などの活用により、契約書の作成や管理を効率化させるサービスが続々登場しています。
以下では、そうしたサービスの主なものを挙げて見ました。

CLOUDSIGN(クラウドサイン)

CLOUDSIGN(クラウドサイン)

リーガルテックサービス一覧、最初に紹介するのは、弁護士ドットコム株式会社の「CLOUDSIGN(クラウドサイン)」です。こちらは、日本の法律に特化した電子契約サービスとなっています。従来の契約に必要だった「紙と印鑑」をクラウドに置き換えることで、契約作業をパソコン上で完結させることができます。PDF形式の契約書をアップロードすると、クラウドサインから取引先に確認依頼のメールが送付され、あとは取引先担当者がシステム上で押印すれば、契約は締結となります。

https://www.cloudsign.jp/

DocuSign(ドキュサイン)

DocuSign(ドキュサイン)

続いての契約書に関するリーガルテックサービスは、DocuSign(ドキュサイン)の電子署名です。DocuSignは、アメリカカリフォルニア州に本社を置くリーガルテック企業になります。こちらは紙と署名捺印による合意をデジタル化するサービスで、合意についての記録をDocuSign側が第三者的に記録することで、証拠能力を持たせます。デバイスの種類を問わず使え、いつでもどこでも署名捺印、送信ができ、しかもほとんどの契約は、1日以内に完了させられるようになっています。

https://www.docusign.jp/

Hubble(ハブル)

Hubble(ハブル)

続いて紹介するリーガルテックサービスは、「Hubble(ハブル)」です。こちらは株式会社Hubbleが提供する、法務ドキュメント業務に特化したクラウド型ソフトウェアになります。契約書を始めとした文書の管理・共有を効率化できるようになっており、交渉過程における全バージョンやメールのやり取り、契約締結後の情報が全て一括管理できます。さらに、Microsoft Wordがあればすぐに利用可能でシステム環境を変える必要がない点も、大きなメリットとなっています。

https://hubble-docs.com/

LAWGUE(ローグ)

LAWGUE(ローグ)

契約書に関するリーガルテックサービス、4つ目に紹介するのは、株式会社日本法務システム研究所の「LAWGUE(ローグ)」です。こちらは、契約書などの構造文書作成業務を効率化させるオンラインエディタになります。これまでWordやメールなどで行っていた作業を、1つのシステム上で完結させられるというサービスで、文書作成時のインデントの乱れや表記ゆれなどを補正してくれるほか、送付された契約書のチェック業務における精度向上にも役立ちます。

https://lawgue.com/

ホームズクラウド

ホームズクラウド

5つ目に紹介するリーガルテックサービスは、「ホームズクラウド」です。こちらは株式会社Holmesの提供によるもので、契約書作成やレビュー、承認などの業務をワンプラットフォームで行える、オンライン契約マネジメントシステムになります。プロセスと共に相談コメントや契約関連の書類を一元管理することで、迅速な契約締結を実現させます。また契約プロセス・ステータスの可視化により、必要に応じた契約状況の確認が容易になることから、コンプライアンスリスクの回避にも役立ちます。

https://www.holmescloud.com/

リコーの契約書管理サービス

リコーの契約書管理サービス

契約書に関するリーガルテックサービス、最後に紹介するのは、株式会社リコーの「契約書管理サービス」です。こちらでは、重要文書の電子データ化サービスと、クラウド版の文書管理システムの提供を行っています。前者では、電子データ化のプロが正確かつ継続的な電子データ生成を提供し、後者では、「目録」のメンテナンスによって最適に利用できる環境を提供しています。管理するデータベース数は、基本5個まで設定できるので(追加も可能)、契約書以外の重要文書管理にも使えます。

https://www.ricoh.co.jp/service/cms

サーチ系

リーガルテックサービス一覧、続いて見ていくカテゴリーは、「サーチ系」です。法律実務においては、判例調査が非常に大きな比重を占めます。従来のやり方では、紙媒体の判例集や判例雑誌、判例付き六法にあたるのが通常でしたが、現在ではクラウド型の判例検索サービスなどが登場したことで、大幅な業務の効率化が進みました。さらに最近では、判例以外の法律情報についての検索サービスも登場しています。以下では、そうした領域の主なサービスについていくつか挙げて見ました。

LEGAL LIBRARY(リーガル ライブラリー)

LEGAL LIBRARY(リーガル ライブラリー)

サーチ系のリーガルテックサービス、最初に挙げるのは、株式会社Legal Technologyの「LEGAL LIBRARY(リーガル ライブラリー)」です。こちらは法律専門書や官公庁等の各種資料のオンラインデータベースで、10万ページ以上のデータを横断的に検索・閲覧することができます。掲載されているのは、法律家がよく利用する実務書などの信頼できる書籍のみで、本文すべての横断検索が可能な上に、複数キーワード検索などの高度な検索機能も備えています。

https://legal-library.jp/

弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

続いて紹介するサーチ系リーガルテックサービスは、弁護士ドットコム株式会社が運営する「弁護士ドットコム」です。こちらは一般ユーザーと弁護士をつなぐ、日本最大級の法律相談ポータルサイトとなっています。一般ユーザーに向けては、法律トラブルへの対処法などの情報をまとめたガイドや、弁護士検索といったサービスを、一方弁護士に向けては、情報収集や同業者同士の交流、また依頼獲得のための集客サービスなどの提供を行っています。

https://www.bengo4.com/

MNTSQ for Enterprise

MNTSQ for Enterprise

3つ目に紹介するサーチ系のリーガルテックサービスは、MNTSQ(モンテスキュー)株式会社が提供する「MNTSQ for Enterprise」です。こちらは、大企業向けに特化した契約データベースになります。弁護士事務所向けのソフトウェア開発によって培われた契約書解析アルゴリズムが活用されたシステムで、過去事例や交渉経緯等の可視化、社内文書管理のサポートなどとともに、契約書の検索にも強みを発揮します。

https://www.mntsq.co.jp/

LegalSearch(リーガルサーチ)

LegalSearch(リーガルサーチ)

サーチ系リーガルテックサービス一覧、最後に紹介するのは、「LegalSearch(リーガルサーチ)」です。こちらは、リーガルテック株式会社の提供する次世代法律検索エンジンになります。国連によるSDGsの司法インフラの提唱に従い、オンライン紛争解決の支援を目的として開発されたシステムで、法律情報の迅速かつ正確な検索が可能となっています。また、独自のXML変換技術を用いることにより、クオリティと同時にコストにも優れたプラットフォームを実現させることにも成功しています。

https://legalsearch.jp/portal/

審査・登録

リーガルテックサービス一覧、次に紹介するカテゴリーは、「審査・登録」です。会社設立登記などの法人登記や商標登録、著作権侵害の調査・削除申請といった手続きには、従来多くの手間やコストがかかっていました。高度な知識が求められることから、ほとんどの場合で専門家に任せていたためです。しかし、リーガルテックの導入により、近年はオンラインで簡単にこうした手続きを行えるようになっています。ここでは、代表的なサービスを4つ挙げて見ていきましょう。

LegalScript(リーガルスクリプト)

LegalScript(リーガルスクリプト)

審査・登録に関するリーガルテックサービス、1つ目は、株式会社リーガルスクリプトの「LegalScript(リーガルスクリプト)」です。こちらは会社情報を入力すると、自動的に登記に必要な書類を作成してくれるオンラインサービスとなっています。使用方法は、アカウント登録してフォーム上でガイドに従い必要情報を入力、後はその情報に基づいて自動作成された手続き書類を印刷し、役所に提出するという流れです。スマホやタブレットでも利用できて、90日間なら編集も可能(会社設立登記のみ)となっています。

https://legal-script.com/

弁護士ドットコムRights

続いての審査・登録に関するリーガルテックサービスは、「弁護士ドットコムRights」です。こちらは、前述の弁護士ドットコム株式会社が2019年から提供しているサービスになります。海賊版サイトの急増で深刻さを増す著作権侵害問題の解消を目指したサービスであり、不正動画などの違法コンテンツに対し、権利者が簡単に調査・削除申請を行うことができます。まず、弁護士ドットコム側が事前に指定されたルールに基づき、調査ツールによる検索を行います。顧客はその結果を確認し、申請か差し戻しかの判断を行い、申請の場合は申請ボタンを押すだけで、手続きが完了します。

https://www.atpress.ne.jp/news/183672

Toreru(トレル)

Toreru(トレル)

4つ目の審査・登録に関するリーガルテックサービスは、特許業務法人Toreruの「Toreru(トレル)」です。こちらは、2014年に提供を開始したオンライン商標登録サービスになります。クラウド上のシステムで商標登録の手続きが行えるというサービスで、申し込みに際しては、所定のフォームに記入するだけでOKとなっています。進捗については、スマホやPCなどでアクセスすれば、いつでもどこからでも確認が可能です。手数料も9,800円と、従来のものより大幅に削減されています。

https://toreru.jp/

one visa(ワンビザ)

one visa(ワンビザ)

審査・登録に関するリーガルテックサービス、最後の事例は、株式会社one visaの「one visa(ワンビザ)」です。こちらは、日本で働く外国籍人材のビザ取得をサポートするオンラインサービスになります。「ワンクリック申請書類作成」「メンバー管理」「代理申請」の3つの機能があり、外国籍社員のビザ申請や更新タイミングの管理、従業員からの問い合わせ対応に至るまで、ワンストップで対応可能となっています。これにより、ビザ申請にかかる工数やコストの大幅削減が実現できます。

https://www.onevisa.co.jp/

紛争・訴訟

続いてのリーガルテックサービス一覧は、「紛争・訴訟」に関するものです。
上でも述べたように、リーガルテックはもともと訴訟大国のアメリカが発祥ということで、この分野においても大きな効力を発揮します。法律によってもめごとを解決しようとすると、活動資金や弁護士への依頼といったハードルをいくつもクリアしなくてはなりませんが、最近はクラウドファンディングなどのオンラインサービスの登場で、このハードルがかなり低くなっています。それでは、代表的なサービスを2つほど紹介してみましょう。

リーガルファンディング

リーガルファンディング

紛争・訴訟に関するリーガルテックサービス、1つ目に挙げるのは、一般社団法人リーガルファンディングの「リーガルファンディング」です。日本初の訴訟特化型クラウドファンディングで、訴訟に関する活動資金の調達を、インターネットを通じた募金によって支援できるサービスになります。プロジェクトとなるのは、担当弁護士はいるものの、活動資金に困っている案件のみで、弁護士が代理で立ち上げます。支援者には特別なリターンはありませんが、活動報告でその後の状況について知ることができます。

https://legalfunding.jp/

ノーキャンドットコム

ノーキャンドットコム

紛争・訴訟カテゴリーのリーガルテックサービス、続いては、「ノーキャンドットコム」です。こちらは東京弁護士会所属の北 周士(きた かねひと)氏が運営する、無断キャンセルの対策サービスになります。小売店にとって無断チャンセルの発生は頭の痛い問題ですが、このサービスでは、会員登録してWebページから依頼することで、弁護士にキャンセル料の回収を代行してもらうことができます。サービスは飲食版のほか、宿泊版、美容版もあります。

https://noshow.life/

法律事務所

リーガルテックサービスの一覧、最後に紹介するは、法律事務所の業務に関連するものです。法律事務所の仕事内容は、多岐に及びます。民事事件や刑事事件を扱う弁護士や、弁護士の指示の下で法律に関する事務業務を行うパラリーガル、また、弁護士をサポートする秘書や事務なども含まれます。クラウド技術などを活用することで、こうした種々の業務の効率化を担うのが、こちらのカテゴリーになります。以下の項目では、法律事務所関連のサービスを3つ挙げて見ました。

firmee(ファーミー)

firmee(ファーミー)

法律事務所の業務に関するリーガルテックサービス、最初に挙げるのは、合同会社firmeeが運営する「firmee(ファーミー)」です。こちらは、現役弁護士が開発を手掛けたクラウド型事件管理システムになります。法律事務所が保有する多様なデータを、オンラインで一元管理できるサービスで、全情報が事件に紐づけられた検索しやすいデータ管理の実現により、弁護士が主要業務に集中できる環境を整えられます。初期費用は不要で、すぐに利用を始められる点もメリットです。

https://firmee.com/

LEALA(レアラ)

LEALA(レアラ)

続いての法律事務所に関するリーガルテックサービスは、「LEALA(レアラ)」です。こちらは株式会社レアラが運営する、法律事務所のためのクラウド案件管理システムになります。顧客情報や案件情報に、対応履歴・会計情報・書面・コミュニケーションなどあらゆる情報を紐づけ一元管理できるサービスで、業務の大幅な効率化が期待できます。また、多様な事務所の集合知である先進的な業務プロセスの導入などにより、業務品質の向上にも役立ちます。

https://leala.ai/

Armana(アルマナ)

Armana(アルマナ)

法律事務所業務関連のリーガルテックサービス、最後に挙げるのは、株式会社 カイラステクノロジーの「Armana(アルマナ)」です。こちらは弁護士事務所の業務管理システムとして、現在直面する課題と将来抱えるであろう課題両方へのソリューションを提供しています。ログやToDoによる案件の可視化、請求書の一括作成機能などで業務の効率化が図れるほか、流入先の集計機能によって、広告効果の計測もできるようになっています。

https://armana.jp/

Legal Tech(リーガルテック)の意味とは?リーガルテックサービス19選

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