一般常識
「口先」と「舌先」の意味と違い
スポンサーリンク
「口先」「舌先」の意味と違い
「言い方ばかり巧みだが、内容は本心と違う」ことを表す際によく使われるのが、「口先」と「舌先」の2つの言葉です。どちらもよく似た印象の言葉で、使われ方も似ていることから、混同されることも多くなっています。しかし、実際には完全に同じではなく、一方だけした使えない表現もあります。今回は、「口先」と「舌先」の意味と違いについて詳しく解説していきましょう。
口先とは
「口先」とは、文字通り「口の先端」を意味する言葉です。くちびるの先の部分を指しており、「口先でくわえる」「口先をとがらせる」のように使われます。「口先をとがらせる」とは、不満を持ったりすねたりするときの身体表現です。
「口先」の意味は、そのほかにもう1つあります。もう1つの意味合いとは、「うわべだけの言葉」というものです。本心から出たものではなく、ただ口で言っているだけの、表面上の言葉を言います。また、そうした話しぶりについても指しています。「あいつは口先だけの男だ」「彼女は口先ばかり達者だ」「あの口先にだまされて痛い目に遭った」のように使われます。
のちほど詳しく説明しますが、「本心でない巧みな言い方」の意味でよく使われる「口先三寸」という表現は、間違いです。正しくは、「舌先三寸」となります。
舌先とは
「舌先」とは、これも文字通り、「舌の先端」という意味の言葉です。舌の端の方、もっとも先の部分を指す言葉で、「舌先でなめる」「舌先をやけどした」のように使われます。ちなみに「舌」という漢字は、「口から出した」の象形から成っています。
「舌先」もまた、もう1つの意味合いがあります。「うわべだけの物言い」や「弁舌」という意味合いで、巧みだが中身のない言い方などを指します。「舌先の達者な人」のように使い、この意味では「口先」と違いはありません。ただ、上でも触れたように、「舌先三寸」とは言っても、「口先三寸」とは言わないようになっています。「三寸」は「舌」の長さを表す表現で、「口先」には当てはまりません。現在は「口先三寸」の方が使われる傾向にありますが、実際は間違いということを覚えておきましょう。
この記事が気に入ったら いいね!しよう