一般常識
「後継者」「継承者」の意味と違い
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「後継者」「継承者」の意味と違い
「何かを新たに引き継ぐ人」といった意味を表す言葉に、「後継者」と「継承者」の2つがあります。これらは共に、「ビジネスの後継者」や「事業の継承者」などのように使われており、違いが分かりづらくなっています。果たしてこの2つの言葉には、何か使い分けのポイントなどはあるのでしょうか。あるとすれば具体的にどういった点なのかが気になります。
今回は、「後継者」と「継承者」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。
「後継者」
「後継者(こうけいしゃ)」とは、「あとを継ぐもの」という意味の言葉です。事業や地位、財産などを、以前に保有していた人物から受け継いだ者、もしくはその予定の者について言います。類語には、「後継ぎ」があります。「彼は社長の後継者と目されるまでに頭角をあらわしてきた」「Aは名監督と言われた前任の後継者として、強いプレッシャーにさらされている」「家族経営の中小企業では、後継者争いによる家族間の対立が生じやすい」のように使われます。
「継承者」との違いは微妙ですが、「後継者」には「代替わり」の意味合いが強い点が特徴となっています。すぐ前の人から引き続いて仕事や地位などを受け継ぐ際に使われる言葉で、ビジネスシーンなどで特によく聞かれます。この点は、「継承者」との使い分けのポイントになります。
「継承者」
「継承者(けいしょうしゃ)」とは、文字通り「受け継ぐ人」という意味の言葉です。先代や先任者などの地位、身分、財産、権利、義務や、先人の打ち立てた思想・手法などを受け継ぐ人間を指します。「彼らは伝統芸能の継承者として、大事に育てていかねばならない」「作家のBが死亡した後は、彼の長女が著作権継承者となった」のように使われます。「承継者」と言われる場合もあります。
「後継者」との違いは、上記のように微妙なところで、両者を言い換えられる場面も少なくありません。ただ、「継承者」は財産や地位だけでなく、権利や義務などについても使える点で、「後継者」と区別することができます。「継承者」の方が適用範囲が幅広く、「代替わり」の意味合いにも縛られないことから、「後継者は継承者の一種である」という言い方も可能です。また、「継承者」はやや形式ばったニュアンスがあることから、一般的な使用頻度は「後継者」に比べてそれほど高くないという特徴もあります。
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