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一般常識

「混獲」「乱獲」の意味と違い

「混獲」「乱獲」の意味と違い

「混獲」「乱獲」の意味と違い

現在地球の自然環境を巡っては、さまざまな危機の存在が指摘されています。海洋生物についても例外ではありませんが、中でもよく耳にするのが、「乱獲」の問題です。水産資源の減少を招くと危惧されていますが、同じく水産資源のダメージに関する言葉として、「混獲」というものを聞く機会も多くなっています。果たしてこの2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「混獲」と「乱獲」の意味や違い、使い分けのポイントなどについて解説していきたいと思います。

「混獲」とは

混獲

「混獲(こんかく)」とは、「意図していない他の魚を含めて獲ってしまうこと」を意味する言葉です。漁をする際には、通常は主に狙う生物が決まっていますが、「混獲」はその目的以外の生物を、誤って針や網にからめて獲ってしまうことを指します。「意図しない生物を混ぜて獲る」ということから、「混獲」と呼ばれています。

「混獲」では、アホウドリなどの海鳥から、クジラ類、ウミガメ類など、幅広い種類の海の生物が犠牲になっています。絶滅の危機にある生物の減少だけでなく、商業的に価値のない魚が「混獲」され、捨てられることで海の環境を悪化させるなど、さまざまな面で悪影響を与えています。

「乱獲」との主な違いは、「目的外の生物を意図せずに獲る」点にあります。詳しい使い分けについては、この後説明しましょう。

「乱獲」とは

乱獲

「乱獲(らんかく)」とは、「魚・鳥獣などをむやみに獲ること」という意味の言葉です。「濫獲」とも書かれます。

海の生物の「乱獲」には、3つのタイプがあります。すなわち、マグロなど捕食種の個体数が減って、より小さな海洋種が過密になって発生する「生態系の乱獲」と、繁殖に十分な年齢になる前に魚を獲ることで起こる「加入乱獲」、そして、魚がフルサイズになる前に獲られる「成長乱獲」です。

「乱獲」の例として挙げられるのが、1800年代のクジラ漁です。ランプオイルの原料などとしてクジラを大量に捕獲した結果、大幅な個体数の減少をもたらしました。

「混獲」との違いは、「対象となる生物を、意図して多く獲る」点にあります。「混獲」は目的外の生物を結果的に巻き込む行為なのに対し、「乱獲」は目的の生物を意図的に大量に獲る行為である点で区別できます。

「混獲」「乱獲」の意味と違い

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