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一般常識

「小物」「小者」の意味と違い

「小物」「小者」の意味と違い

「小物」「小者」の意味と違い

権力や勢力をほとんど持たない人物を指して、よく「こもの」という言葉が使われます。ところでこの「こもの」を漢字で表す際に、「小物」と書く場合と「小者」と書く場合の二通りがありますが、一体どちらが正しいのでしょうか。それを考えるには、両者のもともともの意味を知ることが役に立ちます。

今回は、「小物」と「小者」の意味や違いについて詳しく解説していきますので、両者の使い分け方について知りたい方は、参考にしてみてください。

「小物」

小物

「小物」の意味はいくつかありますが、代表的なのは、「小さい物」「こまごまとした付属物」というものです。この場合は「小物入れに文房具をしまっておく」のように使われます。
また、「つまらない人物」「小人物」という意味もあり、この場合は「あいつのような小物を相手にしてもしょうがない」のように使われます。
このほかに「小さい魚」という意味や、「正式な料理以外のちょっとしたつまみ」などの意味もあります。

「小者」とは意味を混同されがちですが、実際ははっきりとした違いがあります。人に対して「小物」という場合は、前述のように「つまらない人物」の意味になりますが、もともとの「小者」の意味にこうした解釈は含まれません。ですので、「取るに足らない“こもの”」などという場合には、「小物」が正解ということになります。「大物」の反対語と覚えておくと、使い分けやすいでしょう。

「小者」

小者

「小者」とは、「身分の低い奉公人」という意味の言葉です。丁稚(でっち)や小僧、下男などに対して使われます。
また、中世や近世に武家に仕えた軽輩の者や、江戸時代に武士に雇われ、雑事に使役された者も、「小者」と呼ばれます。
さらにこのほかに、「年若い人」「年少者」の意味で使われることもあります。

上で述べたように、「小物」と「小者」は本来別の意味の言葉です。「小者」は身分の低い人物に対して使われますが、特に「つまらない」や「取るに足らない」などの意味合いは含みません。現在では「つまらない人物」の意味で「小者」と表記するケースも多くなっていますが、これは言葉のイメージから来る誤用です。

以上のような事実を踏まえておくと、使い分けに迷わずにすむでしょう。

「小物」「小者」の意味と違い

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