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一般常識

「切り崩す」「取り崩す」の意味と違い

「切り崩す」「取り崩す」の意味と違い

「切り崩す」「取り崩す」の意味と違い

「貯金から少しずつお金を引き出して生活費にあてる」といった内容を表す際に、「貯金を“切り崩す”」「貯金を“取り崩す”」の2つの表現がよく使われます。これらは普段無造作に使われがちな一方で、「どちらを使うべきなのか」や「どちらを使ってもいいのか」などの疑問を感じる人も少なくありません。

今回は、「切り崩す」と「取り崩す」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けについて知りたいという人は、参考にしてみてください。

「切り崩す」とは

切り崩す

「切り崩す(きりくずす)」とは、「削り取って元の形でなくする」という意味の言葉です。ある物のかたまりの一部を削って、形を変える際に使われます。具体的には、「山を切り崩して宅地を造成する」「砂山を切り崩してトンネルを掘る」のように使われます。

「切り崩す」にはまた、「相手方の弱点などを突いて、全体のまとまりを壊す」という意味もあります。この場合は、「鋭いドリブルで相手の陣形を切り崩す」「裏工作で反対派を切り崩す」などのように使われます。

「貯金から少しずつ生活費を引き出す」という意味合いでも使われることがありますが、本来この使い方は間違いです。正しくは、後述するように「取り崩す」の表現が該当します。現在は「貯金を切り崩す」という表現も広まりつつありますが、場合によっては間違いを指摘されるおそれもあるので、注意が必要です。

「取り崩す」とは

取り崩す

「取り崩す(とりくずす)」とは、「とりこわす」「くずす」という意味の言葉です。あるものを破壊したり形をなくしたりする際に用いられる言葉で、「ビルを取り崩す」「古い家を取り崩して駐車場にする」のように使われます。また、もう1つの意味として「まとまっているものを少しずつ取り出してなくす」という意味もあり、この場合は「今は蓄えを取り崩しながら生活している」のように使われます。

上でも述べたように、「貯金を少しずつ引き出す」という意味合いで使う場合は、「取り崩す」の表現が正解になります。「切り崩す」には、本来「まとまっているものから少しずつ取り除く」という意味はないので、貯金に対して使うのは間違いです。現在は「貯金を切り崩す」の表現も一般的には通用しますが、違和感を抱く人も少なくありません。一方、本来の意味合いを踏まえて使い分けておくと、どんな場合でも心配はないでしょう。

「切り崩す」「取り崩す」の意味と違い

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