一般常識
「漢語」「和語」の意味と違い
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「漢語」「和語」の意味と違い
日本語にはいくつものルーツが異なる言葉が入り込んでいますが、その中でも「漢語」と「和語」の2つは、とりわけ重要な位置を占めています。それだけに普段聞く機会が多くなっていますが、詳しい違いを説明しようとすると、意外に難しいことに気付くでしょう。果たしてこの2つの語は、どのような点で区別されるのでしょうか。
今回は「漢語」と「和語」の違いを詳しく説明しますので、両者の使い分けに悩んでいる方は参考にしてみてください。
「漢語」とは
「漢語(かんご)」の意味は、いくつかあります。1つは「漢民族の言語」というもので、簡単に言えば「中国語」を指します。また、「漢文に典故のある語」の意味もあります。
一方、「和語」に対して使われる場合の「漢語」とは、「漢音(唐の首都長安の北方標準音に基づく音)、呉音(漢音より古く、中国語南方方言に基づくと言われる音)など漢字の字音による語」の意味になります。日本語文に借用語として使われている中国起源の語を指して、「漢語」と呼ぶのが一般的です。
「漢語」は、「山岳(さんがく)」や「雷雨(らいう)」などのようにすべて音読みで読まれるのが特徴で、この点が「和語」との明らかな違いとなります。ただ、後述するように音読みの熟語がすべて「漢語」というわけではない点は、少々注意が必要となります。
「和語」とは
「和語(わご)」とは、「日本の言葉、日本語」を意味する言葉です。「倭語」とも書かれます。一方、「漢語」やその他の外来語との関連で使う場合は、「それらに対する日本固有の語」の意味になります。この場合、「大和言葉(やまとことば)」という言い方もされます。
「漢語」がすべて音読みであるのとは違い、「和語」は多くが訓読みとなるという特徴があります。たとえば「故郷」と書いて「ふるさと」と読む場合は、「和語」に該当します。「相討ち(あいうち)」「他人事(ひとごと)」「眼差し(まなざし)」なども「和語」の一種です。
このように、「漢語」は音読み、「和語」は訓読みという大まかな使い分けが可能ですが、厳密に見ると例外があるので要注意です。たとえば「火事」や「新聞」などは音読みされますが、日本で作られた熟語です。こうした例はほかにもありますが、一般的にはそれほど厳密に考えず、前述のように音・訓によって区別されるようになっています。
なお、「重箱(じゅうばこ)」のように音と訓が混ざっている熟語に関しては、「和語」に分類するのが通常です。
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