一般常識
「会議」「協議」「審議」「決議」の意味と違い
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「会議」「協議」「審議」「決議」の意味と違い
「議」という字の付く熟語は数多くありますが、その中には意味の区別が難しいものも少なくありません。「会議」「協議」「審議」「決議」の4語は、特にその傾向が強くなっています。いずれも話し合いに関係する言葉で、使用場面も重なることから、どのように使い分けるべきかで悩むケースもよく見られます。一体この4つの言葉は、どこに違いがあるのでしょうか。
今回は、「会議」「協議」「審議」「決議」の意味と違いについて解説していきますので、これらの使い分けに付いて知りたい方は参考にしてみてください。
「会議」とは
「会議(かいぎ)」とは、「関係者が集まって相談をし、物事を決定すること」という意味の言葉です。また、そうした集まりについても言います。「経営方針をめぐって会議は紛糾している」「今回の編集会議はすんなり方向性がまとまった」「会議室にはすでに大勢のスタッフが集まっている」などのように使われます。
「会議」の「会」の字は、この場合「ある目的のために多くの人が集まること」「集まり」の意味を表します。「議」は、「相談する」などを意味する漢字です。
「会議」と「協議」は、複数の人間が集まって何かを話し合う点で同じですが、細かい部分では違いがあります。一般に、「会議」の方が「協議」よりも表す範囲が幅広いという特徴を持ちます。国会などで採用されている議事進行規則「ロバート議事法」においては、「協議」は「会議」の中の一段階を指すようになっています。
「協議」とは
「協議(きょうぎ)」とは、「人々が一緒に相談すること」「集まって相談すること」という意味の言葉です。「協」の字は、「一致する」「一致させる」や「力を合わせる」などの意味を表します。「問題解決に向け協議を重ねる」「協議はさっきから平行線をたどったままだ」などのように使われます。
「会議」との主な違いは、上記のように表す範囲にあります。先に挙げた「ロバート議事法」では、「会議」を「討議」「協議」「審議」の順で行うとしており、「協議」の過程では、「討議」で議論すべきと決められた議題について話し合われます。さらに、その話し合いの内容を基として、多数決で仮の結論が導かれます。
このように、「協議」は「会議」の中の一過程と表現することが可能です。
「審議」とは
「審議(しんぎ)」とは、「会議において議題を慎重に評議・検討すること」という意味の言葉です。話し合いで導き出された事柄について、審査して評議することを言います。「審議の結果、その案の実現は見送られた」「内閣の目玉法案は、国会審議を経て可決された」などのように使われます。
「審議」の「審」の字は、「明らかにする」や「詳しく調べる」などの意味を表します。
「審議」もまた、「会議」の一過程である点で「協議」と同様ですが、両者の具体的な役割は違います。「協議」が、議題についての話し合いと仮結論の導出の過程であるのに対し、「審議」の過程では、その仮結論に問題がないかについての話し合いが行われます。問題がなければそのまま最終結論として通りますが、問題ありとされた場合は、再び「協議」に差し戻して話し合いが行われます。
「決議」とは
「決議(けつぎ)」とは、「会議で物事を取り決めること」という意味の言葉です。また、その取り決めた事柄や内容についても言います。「教授会の決議により、対象学生は全員停学処分となった」「町議会において、個人情報保護対策等に関する決議がなされた」などのように使われます。
「決議」の「決」の字は、この場合「是非などについて判断する」の意味を表します。
「決議」も「会議」の一過程である点で、「協議」や「審議」と違いはありません。ただ、「協議」や「審議」が議題についての話し合いを主とするのに対し、「決議」は「意見や意思の決定」に比重が置かれる点で使い分けられます。合議体が特定の意思を表示するのが「決議」の役割であり、「会議」では最終過程に当たります。
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