一般常識
「牛車(ぎゅうしゃ)」「牛車(ぎっしゃ)」の意味と読み方の違い
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「牛車(ぎゅうしゃ)」「牛車(ぎっしゃ)」の意味と読み方の違い
「牛車(ぎゅうしゃ)」とは、「牛が引く荷車」という意味の言葉です。主に荷物の運搬を目的として、牛に牽引させる車を指します。
これに対し「牛車(ぎっしゃ)」とは、「牛に引かせる乗用の車」を意味します。平安時代以後に登場した、公家のような貴人の交通手段となる車のことです。構造や名称は、乗る者の位階や家格などによってさまざまな種類に分かれますが、主なものには「唐庇車(からびさしのくるま)」「雨眉車(あままゆのくるま)」「檳榔庇車(びろうびさしのくるま)」などがあります。屋形の部分に装飾を施すなど、使用者の間で華美が競われましたが、武家の時代に入ると徐々に用いられなくなり、やがて廃れていきました。
このように「牛車(ぎゅうしゃ)」と「牛車(ぎっしゃ)」は、どちらも「牛に引かせる車」という点では共通しますが、それぞれの用途には違いがあります。
「牛車(ぎゅうしゃ)」が主に荷物の運搬を目的とする車を指すのに対し、「牛車(ぎっしゃ)」は貴人を運ぶための乗物を指すようになっています。
後者の意味合いで「ぎゅうしゃ」の読み方が用いられる場合もありますが、それほど一般的ではありません。ですので、「貴人の乗物」の意味では、やはり「ぎっしゃ」を用いるのが無難です。一方、「ぎっしゃ」の読み方は、「荷車」の意味合いでは使われないようになっています。どちらの読みを選ぶべきかは、文脈の違いで判断するようにしましょう。
ちなみに、「牛車」にはこのほかにも、「うしぐるま」「ごしゃ」という読み方があります。前者の場合は「荷車」「貴人の乗物」の両方の意味を含み、後者の場合は、仏教用語で「大乗(法華経)」の意味になります。
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