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一般常識

「下馬評」「前評判」の意味と違い

「下馬評」「前評判」の意味と違い

「下馬評」「前評判」の意味と違い

「下馬評通りの結果」「下馬評を覆す」などのように、「下馬評」という言葉は日常でもあちこちで見かけるものです。一方、これとよく似た言葉に、「前評判」というものがあります。こちらも「前評判通り」「前評判を覆して」と同様の使い方ができ、前者との違いはあまりはっきりしません。果たしてこの2つの言葉は、どの点で区別されるのでしょうか。

今回は「下馬評」と「前評判」の意味と違いにスポットを当てて解説していきますので、両者の使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。

「下馬評」とは

下馬評

「下馬評(げばひょう)」とは、「第三者が興味本位にするうわさ・批評」という意味の言葉です。「人気アイドルAのスキャンダルが巷の下馬評に上っている」「下馬評だと大物議員Bの当選は危ういとのことだったが、ふたを開けてみれば盤石の勝利だった」などのように使われます。

「下馬評」は江戸時代に生まれた言葉で、「下馬」は「下場先(げばさき)」を略したものになります。「下馬先」は城門などの前で馬を降りるべき場所のことで、ここで主人の戻りを待つ供の者たちがさまざまなうわさ話や批評をしあったことから、この言葉が生まれました。

「前評判」との違いは分かりづらいところですが、「下馬評」の場合は「根拠のないうわさ」「興味本位の評価」といった軽薄なイメージが強い点が大きな特徴となっています。

「前評判」とは

前評判

「前評判(まえひょうばん)」とは、「ある物事が行われる前の評判」という意味の言葉です。「今年のアカデミー作品賞は、前評判のもっとも高かった映画が順当に受賞した」「前評判を覆して、去年最下位のチームがシーズン終盤で優勝争いに絡んでいる」などのように使われます。

「前評判」と「下馬評」は同じシーンで使えるケースもありますが、まったく同義の言葉というわけではなく、いくつかの点で使い分けが可能です。

まず、「下馬評」が単に「第三者のうわさ話」を指すのに対し、「前評判」には「物事が行われる前の」という、タイミングについての条件が付いています。そのため「前評判」は、ある結果について評価する際には使えません。

また、上記のように「下馬評」には「低俗で無責任」というニュアンスがあるのに対し、「前評判」はあくまで中立的な言葉で、特にネガティブさやポジティブさのニュアンスは含まないという違いもあります。

「下馬評」「前評判」の意味と違い

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