一般常識
「不時着」「墜落」の意味と違い
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「不時着」「墜落」の意味と違い
「不時着」と「墜落」は、どちらもそれほど頻繁に聞くわけではありませんが、映画やドラマなどでは比較的耳なじみのある言葉です。共に飛行機などが不慮の事態で落下していくことについて使われることから、イメージが非常に似通っていますが、どの点に違いがあるのでしょうか。両者を分ける具体的なポイントについて知りたいという人も多いでしょう。
今回はそうした人のために、「不時着」と「墜落」の意味や違いについて、わかりやすく解説していきたいと思います。
「不時着」とは
「不時着(ふじちゃく)」とは、「飛行中の航空機が故障や燃料不足などの理由で運行不能となり、目的地以外の場所に着陸すること」を意味する言葉です。「不時着陸」の略語で、「不時」は「思いがけない時であること」や「臨時」の意味を表しています。
「旅客機がバードストライクのせいで海に不時着した」「急な悪天候に見舞われたために、ヘリコプターは平地に不時着した」「攻撃を受けた戦闘機が、敵地に不時着した」のように使われます。
「墜落」との違いは、「コントロールされたものである」点にあります。「不時着」の語は、不慮の事態で運行の継続はできないものの、着陸や着水に関してはパイロットが自分の意思でコントロールできる場合について使われるようになっています。
「墜落」とは
「墜落(ついらく)」とは、「高いところから落ちること」という意味の言葉です。「飛行機が墜落する確率は、イメージよりずっと少ない」「最近は崖際で自撮りしようとして、誤って墜落する事故が多発している」のように使われます。また、「墜落」には「盛んな状態から急激に没落すること」の意味もあり、この場合は「人生の絶頂期から、一気にどん底まで墜落してしまった」のように使われます。
「墜落」の「墜」の字は、「おちる、おとす」や「うしなう」などの意味を持ちます。
「不時着」と「墜落」は、どちらもアクシデントで航空機が運行不能となる点で共通しますが、上記のように「機体がコントロールできているかどうか」という点で異なります。「不時着」が、パイロットの意思で機体をコントロールして着陸・着水させることを指すのとは違い、「墜落」はコントロールが効かない状態で落ちていくことを指す点が特徴です。ですので、一般に「墜落」よりも「不時着」の方が、乗員の生存率は高くなる傾向があります。
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