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一般常識

「得手不得手」「向き不向き」の意味と違い

「得手不得手」「向き不向き」の意味と違い

「得手不得手」「向き不向き」の意味と違い

あることを上手くやれるかどうかを表す際に、「得手不得手」という言葉がしばしば使われます。「誰でも得手不得手がある」という具合ですが、これとよく似た使われ方をする言葉に、「向き不向き」というものもあります。言い回しなどの点では同じように見えるこの2つの言葉ですが、実際には意味に微妙な違いがあり、区別して使うことが可能です。

今回は、「得手不得手」と「向き不向き」の意味と違いについて解説しますので、両者の使い分けの参考にしてみてください。

「得手不得手」

得手不得手

「得手不得手」とは、「得意とすることがらと、不得意なことがら」という意味の言葉です。上手くできる自信のあるものとそうでないものを指します。読み方は「えてふえて」で、「得手(巧みで得意とすること)」と「不得手(得意でないこと)」の2語をつなげた熟語になります。「今は彼しか人材がいないのだから、得手不得手をうんぬんしている場合ではない」などのように使われます。

「得手(不得手)」の「得」は「満足する」や「~できる」を意味する漢字で、この場合「得意」の意味になります。「手」は「手首から先の部分」を意味する漢字ですが、ここでは「手法、仕事、作業」などを指しています。

「得手不得手」と「向き不向き」は非常に似た言葉ですが、違いもあります。「得手不得手」はあくまで「得意なこととそうでないこと」の意味であり、「何かに適しているかどうか」は指しません。この点で、「向き不向き」と使い分けることが可能です。

「向き不向き」

向き不向き

「向き不向き(むきふむき)」とは、「その人に適しているか、適していないかということ」を意味する表現です。また、「適していることと適していないこと」「得意な仕事と不得意な仕事」などの意味も持ちます。「向き(適していること、似つかわしいこと)」と「不向き(好みや性質に合わないこと、似つかわしくないこと)」をつなげた言葉で、「人には向き不向きというものがある」「趣味でとどめるなら良いが、プロを目指すなら向き不向きは考えておくべきだ」などのように使われます。

「向き(不向き)」の「向」は、本来「窓」を意味する漢字ですが、その後「むく」の意味が生じました。この場合は「適合する」を指しますが、これは日本でのみ通用する意味合いになります。

「向き不向き」と「得手不得手」は言い換えが可能な場合もありますが、詳細な意味合いは違います。「向き不向き」は本来適性に関する表現で、能力や練度を問題とする「得手不得手」とは、微妙にポイントがズレています。意味の重点をどこに置くかで相応しい表現が変わるので、使い分ける際はその辺りを意識しましょう。

「得手不得手」「向き不向き」の意味と違い

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