一般常識
「安直」「安易」「容易」「簡易」「簡単」の意味と違い
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「安直」「安易」「容易」「簡易」「簡単」の意味と違いとは
「安直」「安易」「容易」「簡易」「簡単」の5つは、いずれも「ものごとが単純なさま」といった意味を表す言葉です。これらは普段何気なく使っていますが、いざ違いを説明するとなると、意外に難しいことに気づくでしょう。一体この5つの言葉は、どのように使い分けるべきなのでしょうか。
今回は、これら5つの意味や違い、使い分けのポイントなどについて解説していきましょう。
「安直」とは
「安直(あんちょく)」の意味は、主に2つあります。1つは、「価格が安いこと、また、そのさま」というもので、「近くに安直なレストランがある」「この商品は決して安直な値段とは言えない」のように使われます。
もう1つの意味合いは、「簡単で手軽なさま」「いい加減なさま」というもので、この場合は、「安直なやり方に手を出すべきではない」「安直な考えで失敗することが多い」などのように使われます。
「安直」の「安」は、「家の中で女性がやすらぐさま」を表しており、「値段が低い」「簡単なさま」「分かりやすいさま」などの意味を持ちます。「直」の字は、「まっすぐである」を表しますが、この場合は「値段」や「素直である」などを意味します。
「安易」と意味は似ていますが、「安直」は「価格が安い」という意味も含む点に違いがあります。
「安易」とは
「安易(あんい)」の意味も、主に2つあります。1つは「困難がないこと」「たやすいこと」というもので、「安易な問題ばかりで助かった」のように使われます。
もう1つは、「特別な工夫や努力がないこと」「深く考えないこと」という意味合いで、この場合は「安易な解決法に飛びついた」「安易な気持ちで手を貸すべきではない」のように使われます。
「安易」の「易」という字は、もともと「とかげ」を表しますが、その後「やさしい」「手軽」「簡単」などの意味でも使われるようになりました。
「安直」とは、上記のように「価格が安い」という意味はない点で使い分けできます。また、「安易」には「たやすいこと」の意味がある点も、「安直」との違いに挙げられます。
「容易」とは
「容易(ようい)」とは、「たやすいこと、やさしいこと」といった意味の言葉です。また、そうしたさまについても言います。「ネット通販で買い物が容易になった」「彼女の考えは容易に想像がつく」「質の悪い仲間から抜けるのは容易ではない」のように使われます。
「容易」の「容」は、「入れる」を意味する漢字ですが、この場合は「簡単である」「やさしい」の意味合いになります。
「容易」と「安易」は、共に「たやすいこと」を意味する点で違いはありません。しかし、「安易」に「工夫や努力がないこと」の意味があるのに対し、「容易」にはそうした意味は含まれない点は、両者の違いとなっています。
「簡易」とは
「簡易(かんい)」とは、「簡単でたやすいこと」「手軽なこと」という意味の言葉です。また、そうしたさまについても言います。「簡易書留」「簡易宿泊所」のように使われます。
「簡易」の「簡」は、もともと「文字を書くふだ」を意味する漢字ですが、「つつましい」「少ない」などの意味もあります。
「簡易」と「容易」は意味合いが似ていますが、それぞれの対義語を見ると、違いが分かりやすくなります。「簡易」の対義語は「煩雑(はんざつ)」で、「容易」の対義語は「困難(こんなん)」です。つまり、「簡易」は「ものごとがすっきりしてシンプルなさま」を表し、「容易」は「何かをやることが簡単なさま」を指すことになります。
「簡単」とは
「簡単(かんたん)」の意味は、2つあります。1つは「物事が大ざっぱで単純なこと」というもので、「簡単な作りの家具」「説明が簡単すぎる」のように使われます。
もう1つの意味合いは、「時間や手数がかからないこと」というもので、この場合は「こんな問題は簡単に解ける」のように使われます。
「簡単」の「単」は、「はじき弓」という武器の形を表していますが、「ただひとつ」「たんに(ただ)」といった意味を持ちます。
「簡単」と「容易」は意味合いが似ていますが、「簡単」には「仕組みが単純なこと」という意味合いが含まれる点に違いがあります。また、「簡単」の方がくだけた表現である点も、両者の違いになります。
「簡易」とも「単純である」という意味合いが共通しますが、「簡易」が「様子や姿」に重点を置いているのに対し、「簡単」は様子だけでなく、動作や行動も単純であることを表す点が異なります。
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