HOME>ビジネス知識>試用期間とは?給与や解雇、延長など試用期間中に関する基本17選

ビジネス知識

試用期間とは?給与や解雇、延長など試用期間中に関する基本17選

試用期間とは?給与や解雇、延長など試用期間中に関する基本

試用期間とは?給与や解雇、延長、残業、有給など試用期間中の基本

試用期間とは

試用期間とは人材を見極めるための期間のことを指す言葉です。

通常は、面接などを行った際に判断をしますが、面接などだけでは判断することが難しいため試用期間を設け、実際の業務を行ってもらうことにより正確に本人の適性を見極め配属先などを判断します。

詳しは後述しますが、「試用」と言った言葉が使われることから試用期間満了と同時に「採用する、または採用しないと判断をするための期間」と言ったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、「どういった部署や業務が本人に合っているのか」と言ったものを判断するための期間と言ったイメージに近い物になります。

もちろん、試用期間は本人の適正以外にも「協調性の有無」や「スキルや能力の有無」と言ったものを判断するための期間でもあります。

また、試用期間は正社員だけでなく、アルバイトやパート、さらには契約社員などに対しても適用することが可能です。

正当な理由がなければ解雇(クビ)にはできない

正当な理由がなければ解雇(クビ)にはできない

結論から言えば、試用期間が終了したからと言って簡単に解雇(クビ)にできるわけではありません。

上記でも記載しましたが、試用期間はあくまでも「採用する、またはしないと判断をするための期間」ではなく本人の適性などを見極めるための期間となります。
つまり試用期間中に会社側から解雇(会社側が正式採用を拒否)をすること、または試用期間終了と同時に解雇することは、試用期間でない正社員を解雇するとほぼ同等の意味を持ちます。

そのため「普通解雇・懲戒解雇・整理解雇・諭旨解雇の違い」の「普通解雇とは」に記載したように正社員を簡単には解雇することができないと同様に、正当な理由なく試用期間が終了したからと言って解雇(正社員採用しない)できる訳できるわけはありません。
つまり「寝坊などの理由で1度や2度、遅刻をした」、「風邪をひいて2,3日休んだ」「営業として課したノルマの半分も達成できなかった」などの理由では当然解雇することができません。

もちろん、「履歴書に書かれている資格を本当は取得していなかった」「試用期間中に一度も遅刻しない日がない」「他の従業員に対してパワハラやセクハラを行った」など正当な理由があれば解雇することも可能となりますが、上記でしたようによほどの理由がない限り解雇はできません。

試用期間の長さは自由に設定できる

試用期間の長さは自由に設定できる

そもそも試用期間は労働基準法など法律によって定められているものではありません。
そのため試用期間を何ヶ月以内にしなければならないと言った明確な基準がある訳ではありません。

ただし、一般的には1ヶ月~3ヶ月以内であることが多くなりますが、会社によっては2週間などそれよりも短い期間を試用期間と定めている会社もあります。

また、合理性がない長期の試用期間は認められない可能性が高くなります。そのため正当な理由なく1年や2年と言った試用期間を会社側が定めた場合には無効となる可能性が非常に高くなります。
正当な理由は業種や職種、さらには会社によっても異なりますが、長くとも6ヶ月以内に収めるのが一般的です。

試用期間の延長は労働者側の同意が必要

試用期間の延長は労働者側の同意が必要

試用期間中に本人の適性などが見極めきれなかったなどの会社側の都合で勝手に試用期間を延長することはできません。
試用期間を延長する場合は労働者側の同意が必要となり、労働者側もこれを拒否することが可能です。

もちろん労働者側が同意すれば試用期間を延長することが可能となります。

試用期間は明確に定める必要がある

試用期間は明確に定める必要がある

試用期間を設ける場合には明確に定める必要があります。
そのため半年程度や1ヶ月前後などはあいまいな試用期間を設けた場合には無効となる可能性が高くなります。

試用期間を定める場合には入社日から「90日間」や「1ヶ月間」など明確に定める必要があります。

解雇する場合でも決まりがある

解雇する場合でも決まりがある

試用期間中、または試用期間満了と同時に解雇する場合でも法的には30日前に解雇する旨を労働者に対して予告する義務があります。
そのため、「明日から来なくていい」など急に解雇することはできませんし、予告せずに解雇することもできません。

ただし、予告の代わりに30日分以上(30日を含む)の給与を支払えば解雇することも可能となります。
また、会社ごとに定められている就業規則に「解雇予告は60日前に行う」などの記載がある場合には会社側は就業規則に従う必要があるためその期間よりも前に解雇予告を行う必要があります。
※30日以下など法に反する記載は無効となります。

さらに上記の解雇予告期間も試用期間開始から14日間は該当しません。
つまり試用期間に限らず入社日から14日間は労働基準法によって解雇予告なしに解雇することが可能となります。ただし、こちらも予告の必要がないだけであって、正当な理由がなければ解雇を行うことができません。

労働者側の希望で退職する場合も決まりがある

労働者側の希望で退職する場合も決まりがある

試用期間中であっても本採用となっている正社員とほぼ同様に解雇が行えないように、労働者側の希望や都合で退職する場合も正社員と同様の決まった手続きを行い退職する必要があります。

そのため、試用期間中に会社の方針や業務の内容などに合わないと思った場合でも通常通りの退職を行う必要があり、試用期間中だからといっていつでも辞められる訳ではありません。
退職については「退職の手続きと流れ【完全版:9ステップ】」「会社を辞める決断をしたらなら知っておくべき14のポイント」などについて別途記載させていただきましたが、最短でも2週間、基本的には就業規則に定められている期限よりも前に退職の意志を会社側に伝え、手順に沿って退職を行います。

試用期間中でも社会保険の加入は義務付けられている

試用期間中でも社会保険の加入は義務付けられている

社会保険とは将来的に受け取れる年金保険や怪我・病気をした際に治療費の一部を国などが負担してくれる健康保険の総称のことです。
そのため社会保険に加入していない場合には国民健康保険に労働者自ら手続きを行い加入する義務があり、仮に加入していない場合には年金がもらえないことはもちろんのこと、治療費も全額自分で支払わなければならなくなります。

会社員の場合、社会保険は本人の給与から差し引かれますが、年金保険や健康保険の加入にかかる費用の半分は会社も負担する義務があるため試用期間中の社員の社会保険の加入をしたがらない経営者も存在しています。しかし社会保険の加入は法律によって会社に義務付けられており、社会保険は会社に勤める社会人の方であれば必ず加入させなければなりません。

つまり、試用期間であっても加入される義務があり、労働者側から見れば加入してもらう権利があります。

福利厚生も受けられる

福利厚生も受けられる

上記の社会保険も福利厚生の一部ですが、上記以外にも会社によっては交通費の支給や住宅手当といった会社ごとに設けられている福利厚生などがあるかと思います。
これらも試用期間であっても本採用となっている正社員と同様に受けることができます。

残業代を支払う義務がある

残業代を支払う義務がある

社会保険同様に試用期間中であっても会社側は残業時間に応じて残業代を支給する義務があります。また、休日出勤なども同様で割増賃金を支払う必要があります。

反対に言えば、会社が残業を要望した際には試用期間中であろうとなかろうと残業をしなければならない義務が労働者にも発生します。

給与を低く設定することは可能

給与を低く設定することは可能

求人サイトなどをみると試用期間中は本採用となった場合の給与よりも低く設定されているを目にしたことがある方も多いと思いますが、試用期間中は給与を低くすることが可能です。

ただし、都道府県単位で決められている最低賃金よりも低い賃金を設定することは基本的にできません。
最低賃金は時給で決められているため、支給される金額を月の労働日数と1日の労働時間で割り、算出された実際の時給と最低賃金を比較することで正当性を判断することができます。

賞与(ボーナス)の支給

賞与(ボーナス)の支給

そもそも賞与(ボーナス)の支給は会社に義務付けられたものではありません。そのため試用期間中の労働者に限らず本採用となっている正社員であっても必ず支給されるものではありません。

ただし、一般的には会社の業績が良く多くの利益が出てしまう場合、そのままでは多くの税金が会社に課せられてしまうことから社員に還元する意味などで賞与が支給されます。
そのため試用期間中であっても会社の判断次第で賞与が支給される場合もあれば、支給されない場合もあります。

また、試用期間中の正社員とすでに本採用となっている正社員との間に支給額の差を持たせることも可能です。

基本的には就業規則に「試用期間中の賞与の有無」や「支給額について」などが記載されていますので確認してみましょう。

基本的に試用期間は有給休暇の取得ができない

基本的に試用期間は有給休暇の取得ができない

有給休暇は法律によって付与される条件が定められており「6ヶ月間の継続勤務」と「全労働日の8割以上の出勤」を満たしてはじめて有給休暇が付与されます。
そのため、例えば試用期間3ヶ月と言った場合には「6ヶ月間の継続勤務」を果たしていないため基本的には有給休暇が付与されません。

ただし、こちらも就業規則等にそれ以下の条件で有給休暇を付与するなどの条件が記載されていれば、例え試用期間として1ヶ月間や3ヶ月間といった期間しか働いていなくとも支給される場合があります。