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ビジネス用語

「シナジー」の意味とは?使い方や例文・反対語

「シナジー」の意味とは?使い方や例文・反対語

「シナジー」の意味とは?使い方や例文・反対語

「シナジー」という言葉は、経営に関する用語として比較的よく使われるものです。しかし、耳にする頻度は高いものの、その意味についてはあいまいだという人も意外に多いかもしれません。「シナジー」とは一体何を意味する言葉で、どんな場面で使われるのでしょうか。

今回はビジネス用語としての「シナジー」の意味や使い方を、詳しく解説していきたいと思います。

「シナジー」の意味

「シナジー」とは

「シナジー」とは、一言で言えば「相乗効果」という意味の言葉です。「相乗効果」は、ある要素と別の要素を組み合わせ、同時に働かせることで、それらが単体で働いた時以上の効果が発揮されることを言います。例えば、「2+2」の単純な合計は4ですが、相乗効果が働いた場合は、5や6にもなるといった具合です。

後述するように、元は生物学の用語ですが、現在はビジネス用語として使われるケースが多くなっています。ビジネスシーンでは、別々の事業や企業を統合することで、個々の活動を合計した場合よりも多くの効果が得られることを指します。

たとえば、ある企業でそれまで別々に使われていた2つの技術を1つに組み合わせ、新製品を生み出すことで、技術上の「シナジー」を生み出すことが可能となります。また、複数の異なる企業が提携することにより、個々の得意分野の組み合わせによる「シナジー」効果が発揮される場合もあります。

「シナジー」の由来

カタカナ語の「シナジー」は、英語の「synergy」という単語に由来しています。「synergy」の意味は、「共同作用」「協働」といったものです。この言葉の語源は、「一緒に働く」を意味するギリシャ語「synergos(シナガス)」にあります。

「シナジー(synergy)」という言葉は、前述のように、もともとは生物学の用語として用いられていました。こちらの方の意味は、「複数の筋肉や神経、刺激、薬物などが協働的に作用し、相乗的な効果を生むこと」といったものになります。例えば「筋シナジー」と言う場合は、「複数の筋肉が、同時に協調的に動くこと」を指すようになっています。

「シナジー」の使い方・例文

「シナジー」の意味について見たところで、続いては実際の使い方について見ていきましょう。

現在のところ、ビジネス用語としての「シナジー」が使われることが多いのは、特に「M&A(企業・事業の買収や合併)」の場面となっています。M&Aは経営戦略として盛んに行われていますが、これは多くの場合、異なる企業のノウハウなどを取り込むことで相乗効果を得るという狙いがあります。言い回しとしては、「シナジー効果」や「シナジーを生む」、「シナジー創出」といった表現をされることが多くなっています。では、以下に例文を挙げてみましょう。

  • 例文:「異業種のM&Aは、経営ノウハウを共有してもらうことによるシナジー効果が見込める」
  • 例文:「A社の買収により、わが社の経営にも大きなシナジーが得られるはずだ」
  • 例文:「今回の合併は、異なる企業文化を吸収してシナジーを得るチャンスだ」
  • 例文:「M&Aでシナジー効果を生むためには、フレームワークの活用もポイントになる」
  • 例文:「シナジー創出に欠かせないのが、明確なM&A戦略の策定だ」
  • 例文:「多角化戦略の意義は、シナジーの追求にある」

「シナジー」の反対語

「シナジー」の意味は「相乗効果」ということですが、それでは反対の意味にあたる言葉は何なのでしょうか。ここでは、「シナジー」の反対語を紹介してみましょう。

「アナジー」

「シナジー」の反対語としては、「アナジー」という言葉が該当します。「アナジー」とは、英語で「エネルギー欠乏」などを意味する単語「anergy」に由来する言葉です。医療の分野では、「免疫不応答」の意味になります。

ビジネス用語としても使われますが、この場合の意味は、「企業間や事業間で生じる相乗のマイナス効果」というものになります。異なる企業や事業を統一することにより、負の相乗効果が生まれることを指します。たとえば現在の事業とはかけ離れた事業をM&Aで獲得した際に、互いの接点がまったく無いことでプラスの効果が生まれないばかりか、かえって売上が減るなどのマイナスが生じてしまうといったことを指します。

「アナジー」の使い方についても、例文を挙げてみましょう。

  • 例文:「今回のM&Aは、経営者同士の思想がまったく違ったことでアナジー効果が生まれてしまった」

「負のシナジー」

「シナジー」の反対語としては、「負のシナジー」という表現も当てはまります。「シナジー」は、「10+10」が「21以上」になるといったようなプラスの効果を指すものですが、「負のシナジー」はこれがマイナス方向に振れることを指します。つまり、「10+10」が「15」や「10」になってしまうという効果のことです。こちらも例文を示してみましょう。

  • 例文:「業務システムの統一に想定外のコストがかかったことで、負のシナジー効果が生じた」

最後に

「シナジー」はこのように、「異なる事業などを統合することで生まれる相乗効果」を意味する言葉として、ビジネスシーンでは一般的に使われています。例文で示したような「シナジー効果」「シナジーを生む」という表現の意味は、きっちり押さえておいた方がよいでしょう。また、反対語の「アナジー」も重要な概念として認知されつつあるので、こちらも知っておくと便利です。

「シナジー」の意味とは?使い方や例文・反対語

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